日本伝統音楽ライブ「和楽奏伝」チェンマイ講演。感動をうみだす世界観とは。



笙の音は、天の神のもとへと響く。

タイではケーンと言われ、同様の意味をもつ。

竹で作られた管楽器 笙の音色はアジアで広くみられ、意味も似ているのだ。


昨日、「和楽奏伝」という日本の伝統音楽のライブを見にいった。

和太鼓、篠笛、津軽三味線、琴、そして笙などが豪快に美しく、見事に調和、演奏されていた。

まさに「和」の音楽である。


また、タイの木琴ラナートの奏者トッサポーン氏も特別ゲストとしてセッションしていた。

ラナートと日本和楽器の融合。

まさにアート。

タイの人たちも、皆一様に感動したようで、奏者への惜しみない拍手が送られていた。

やはり、音楽の力はすごい。



ライブは、直衣を着た奏者の笙の音ではじまった。

そして、笙の音が最後少しだけ余韻のように残って、終わった。

これは、「笙で神を来訪させ、笙で帰っていただく」という世界観を示していると思う。


そして舞台上にある、丸く巨大な、存在感を大きく放つ和太鼓。

常に薄明るい光が当てられていて、神を象徴する太陽か月のように浮かび上がっていた。

その和太鼓の前にて最後、笙の奏者が立ち、余韻を残して終わるのである。

やはり、太鼓は神で、それと奏者、我々をもつなぐ笙の仲介性を象徴するのであろう。

演奏の素晴らしさはもちろん、音楽と舞台の造り方の双方によって、神と繋がりあう世界観が示されていることにも、非常に感動したのであった。


「いや、神やら舞台やらで感動している人はいないでしょ」

ツマゴマに茶化して、笑われた。

バッサリと。



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