生まれて初めて、インドネシアの地に足を踏み入れている。


朝6時過ぎにチェンマイの家を出発。

バンコクまでの1時間と、バンコクからジャカルタまでの3時間ほどのフライトをして、15時前にジャカルタに到着したのである。





しかし、あいにく、ツマゴマは風邪。

僕も今週初めから体調を崩していて(つまり、僕がツマゴマに風邪をうつしたことはほぼ間違いないだろう)、今は喘息の発作気味。


ということで、16時ころにホテルについてから、簡単に夕食を済まして、もう寝る状態である。

新婚旅行というものの初日。

まさか喘息のシュッという薬を吸っているとは、思いもよらなかったが、ま、明日から充実した旅行とするために仕方ない。

寝よう。

おやすみなさい。


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ラフ族の村で、力を入れているのが、コーヒー栽培だ。

ということで、コーヒーの木を見せてもらった。



これは発芽してから半年ほどたったものらしい。


山あいでは、他にも、トマトや果物など色々なものが育てられていた。



働いていたおばちゃんたちは明るく、大きな声で我々に挨拶してくれた。

なんだか、嬉しい。


そして、森へ行った。



森で元気に育っているのは、全てアラビカ種だった。

かつてはロブスターも植えていたそうだが、今はアラビカ種に絞っているという。

時期的に完熟したコーヒーの実、いわゆるコーヒーチェリーは見られなかった。


村人は、完熟したコーヒーチェリーを収穫すると、そのあと、乾燥から焙煎まで全ての行程を自分たちでおこなうという。

焙煎方法にもこだわって、試行錯誤しているのである。


我々は自分たちが買わせてもらう分を、焙煎してもらった。




香ばしい香りが漂い、いい具合に仕上がったものである。



村人は言う。

「コーヒーを育てて、焙煎までしても、それからどのようにマーケットに効果的に売っていいかがわからない」


ただ、村から一時間ほどのところにあるプーファー・カフェに、豆をおろしているらしい。

と言うことで、山村からの帰り道に寄った。




あの森で取れたのかぁ、という思いでコーヒーをすする。

生産者の顔と場をもろに知っていると、格別にうまいものである。


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朝起きて、村に散歩に出かける。

何やら、小屋の中から大きな機械音が聞こえる。



スッと入ってみる。

兄ちゃんが1人スマホに興じながら、脱穀をしていた。

「見ていいか」と尋ねたら、快く応じてくれた。




村は自給自足が基本で、稲も当然作られている。

収穫された稲が、ザザッと脱穀機に入れられる。





機械によって籾殻が外されていく。

やっている兄ちゃんはスマホのゲームに夢中。

(村には3〜4年ほど前に携帯の電波が届くようになったらしい)

それを許すほどに、機械は自動で脱穀をしてくれる。





脱穀された米は、下のドラム缶にサラサラと入っていく。




こうして村人が食す米へと変わっていく。




 そして、稲扱きされた籾殻は、というと、この通路を通じて外へ。



村の動物たちが、外で待っているのである。



そして、この動物たちも当然、いずれ食される。

村の中でうまいこと、回っているものである。



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ラフ族の村を歩く。

舗装されていない道に家々が建っている。


村人たちが、思い思いに過ごしている。



村でお世話になるということで、我々はお土産のお菓子を用意していた。

それを配り始めると、カラフルな服をまとった子供達が集まってきた。

お母さんらは、子供達をきちんと並ばせた。




村は女性陣が強く、きちんとしつけをしている印象である。

子供達は、お菓子を受け取ると、小さなワーイの挨拶をして走って行った。





村は子供が多い。

ひとつの家に7人とか8人の兄弟は普通らしい。

村全体でその子供達を育てている。


男の子と女の子が、ずーと付いて回ってきた。

仲良しの2人。



カメラを向けると、男の子は照れて隠れたが、女の子はにっこり。

いい笑顔だ。



暑さがおさまり夕方になると、子供達は元気に遊びまわる。



あたりから、夕食の匂いが立ち込めた。



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夜8時近く。

山村は明かりがなく、夜空には満点の星がひろがっていた。


「綺麗ですね」

「いや、今は寒気じゃないから、綺麗じゃないよ」

綺麗じゃないことはないだろうが、まあ、これくらいは大したことがないらしい。

一体、寒気はどのくらいなのだろうか。


さて、足元を照らしながら、儀礼を行う場に行く。

何か悪いことがあった時に、親族や村人を招いて行われる儀礼らしい。


真ん中に盛られた砂の山は、絶対に触ったり入ったりしてはいけないと言われた。

儀礼執行者だけが入れる、神聖な場らしい。

ケーン(日本でいう笙)の楽器に合わせて、その周りを女性たちが回る。

静かに歩く。(動画はコチラ


さらにその周りを男たちが回る。

男たちは大地を踏み、大きな音を鳴らす。


我々も少し混ざった。

見た目以上に大きな音を鳴らすのは難しく、足運びも独特だ。

なかなかうまくいかず、離脱した。


大地を踏みしめて大きな音を鳴らすのは、神を呼ぶためだという。

僕にとっては美しい星空の下、ろうそくに灯された光を囲むラフ族の人々の前に、神が舞い降りてくるのである。



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ラフ族の村の外れに行った時、妙なものを見かけた。




「これは何ですか?」

「これは家や村などで何か災禍があった時に、村人はここへきて外に祓う儀礼をします。その跡です。

ほら、この木の棒が橋を表してます。悪いものがこの橋を渡って、外に出されるんです」




人型をした飾りがぶら下げられている。




村人たちは、自然災害や病気などといった災いをもたらすピーが、常に自分たちのもとに侵入してくる可能性があると考えている。

だから、悪いピーが自分たちに迫ってきた場合、共同体の境界と認識する場に訪れ、外部へと祓うのである。


こうして見ると、橋の向こう側は何だか異界のような気がしてくるから不思議だ。



危機を祓う場に創られる異界の扉は、人々の心の目によって浮かび上がってくるのである。


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部屋の奥には、囲炉裏があった。



今、タイはものすごく暑い時期のはずだが、ここ山村は肌寒い。

寒気になれば、ものすごい寒さなのだろう。

囲炉裏は必需品だ。


村人たちは囲炉裏を囲んで、ワイワイと騒いでいる。

「私たちは声が大きいけど、別に喧嘩しているわけじゃないから」

そう、女性に言われた。

確かに皆、大騒ぎだ。


男の人がお湯を沸かしている。

そして、それでお茶を煎れてくれた。

「村では、来客にはお茶を出すのが習慣なんだ。お酒はダメなんだ」

「へえ、普段は飲むんですか?」


「いや、普段も部屋の中でお酒を飲むことは禁じられている。飲みたきゃ外で飲むが、それもあまりしないな」

村人は語った。


なかなか厳格な秩序があるようである。

例えば、結婚式もお茶で行われるというし、儀礼の場に飲酒をした者が入ることは許されないそうである。

タイ東北部イサーンだと、儀礼・祭礼の時は酒がつきもののように飲んでいるが、ラフ族の村は違うのである。

いったいなぜ、酒がダメになったのであろうか。過去にいったい何があったのだろうか…


ま、それはさておき、皆でお茶をすする。

素朴でうまい。


人一倍派手な服を着たおじちゃんが、日本でいう三線の楽器を奏でてくれた。



薄明かりの中で静かに聞く音色は心地いいものである。


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昨日もお伝えしたように、山村に来ている。

なかなかのローカルな山村だ。





村人は親切に色々と案内してくれる。

留学生はコーヒーに興味があったので、村人にコーヒー豆の木を案内してもらった。


すると、背中に激痛がはしった。

誰かにアイスピック的なもので刺された感じ。

蜂だ。


どうやら、蜂の巣が近かったらしく、大群が押し寄せたのだ。

こんなときに限って薄手の服。服の上から3、4箇所刺された。

村人と、留学生の指導教官の先生、そして僕が刺された。


なかなか、痛みがひかない。

背中を見せた。

「おおーい、たくさん」

その言葉。引いた表情。

気の弱い僕には効く。



そして、先生も刺された指が腫れてきたので、皆で村の診療所へ行ってみた。

消毒を受ける。

「動悸がしたりしたら、あぶないです。大丈夫ですか」

そう言われたら、気の弱い僕だ。

さっきのたくさん、という言葉も効いている。

心臓がバクバク言い始める。

「やばい気がします」

なんだか、気持ち悪いような感じにもなってきた。


「まあ、刺されてから30分以上、ずっと山道歩いてたんだから、平気ですよ、気のせいですよ。もし、まだなんか変ならまた来て下さい」

そう言われればそうか。

皆が爆笑してるし。

ドキドキはスッとおさまった。


夕飯を食べてるときは、すっかり忘れていた。

全て自給自足の山のご飯、とても美味しかった。






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明日、留学生と指導教官の先生と共に、山村へ行く予定だ。

ラフ族のパークターン村(บ้านมูเซอปากทาง)である。

チェンマイから車で4時間ほどの山の中にある。



ラフ族。

チベット・ビルマ系民族で、雲南省南西部を故地としている。

集落の内部においてでさえ権威が存在しないほどに、平等主義的な民族だという。

言い換えれば、個人主義的とも言える。


ラフ族の社会には度々、預言者としての聖者が出現し、その時ばかりは社会の結束が強まる。

聖者はグシャの神と自身が一体であると語り、社会の崩壊をもたらす外敵としての国家支配に対して挑戦したのである。

(このへんのことは、ジェイムス・スコットの『ゾミア―― 脱国家の世界史』や、それを批判的に議論したクリスチャン・ダニエルス編『東南アジア大陸部 山地民の歴史と文化 (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所歴史・民俗叢書)』の中の片岡樹先生の論文が詳しいので、ぜひご参照いただきたい)





スコットによれば、ラフ族の歴史は国家支配からの逃避の歴史である。

支配をかわすアートとしての逃避。

現在の我々が学ぶべきことは多い。


ということで、実際に村に行って、肌で感じられることに大きな喜びを覚えている。

ワクワクしながら、リュックに荷物を詰め込んでいるのである。


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