チェンマイ大学オープンハウス。で、20年前の三者面談の担任の先生の言葉を思いだす。
朝から車が大渋滞。
学校まで、いつも以上に時間がかかった。
というのも今日は、大学でオープンハウスというものが行われていて、多くの高校生たちが訪れているのだ。
まあ、簡単にいえば、学科紹介と説明のイベントだろう。
朝から歌声や、「きゃーきゃー」騒ぐ声がこだましている。
訪れた高校生たちは、「これが大学かー」って、胸躍らせているのだろうか。
まあ、僕も20年くらい前、そんな感じだったかと思う。
入学式の前に、学校のある飯田橋を歩いて「ここに通うんだな」なんて思ったものだ。
それから4年間、歴史を勉強して、さらに進学し、今の僕がある。
大学の進路を決める三者面談。
「歴史を勉強すること以外考えていないので、史学科にします」
僕は言った。
「そうか。お母さんはどうですか?」
先生の問いかけに
「まあ、本人が行きたいところに行けばいいんじゃないですかね」
母は、そう言って笑った。
「そうですか。
じゃあ、若曽根、史学科行くなら、たくさん書けよ。
とにかく、書き続けるんだぞ。
いや、それよりねえ、お母さん。
彼はね、よく僕の家に来るんですよ。
で、この前『家で何かつまめるように、ちょっと買ってこい』とお金渡したら、納豆買ってきやがったんですよ。
ご丁寧にねぎまで添えて、ね。
いやー、あれには参りましたよ・・・」
史学科という、一般的には潰しのきかないところに行くなんて、意味がわからないという友達も中にはいた。
しかし、担任の先生は全く反対することなく、ただ「書き続けろ」とだけ言った。
そして、あとは終始、世間話。
なんとも明るい三者面談だった。
あれから20年以上が経った。
今、先生に会うことはできないが、まあ、先生のあの時の励ましというか、助言というか、明るさというか。
それがあって、大学では歴史を勉強し、今、それを活かせるような好きな仕事ができている。
充実した日々を過ごせていると思う。
(父母の寛容な心はもちろんのことである)
今日、オープンハウスに来ている学生たちも、素敵な大学生活を送ってもらえればと思う限りである。
<関連記事>
・ひょんなことで時々思い出す、恩師のこと
・一周忌、いつもと同じ帰り道。
・ドナルド・キーン先生のご研究はチェンマイ大学生にも受け継がれているはず
・尊敬する先生からのステキな贈り物。『日本文化の原型』。
・いい教え子に恵まれたもんだ
鼓舞のクリック、よろしくお願いいたします。
0 コメント:
コメントを投稿