アパドゥライの『グローバリゼーションと暴力―マイノリティーの恐怖』


グローバル化の時代。

なぜ、こうも暴力をともなう対立が各地で見られるのであろうか。

アルジュン・アパドゥライの『グローバリゼーションと暴力―マイノリティーの恐怖』はそれに答えようとする本だ。





アパドゥライ読みたいなあ、と思っていたら日本研究センターにあった。

灯台下暗し。


で、アパドゥライによると、暴力性を引き起こすものは、不確実性と「不安」である。

つまり、、、

グローバル化によって、民族やメディア、テクノロジー、資本、イデオロギーの文化フローが、国家を超えて展開される。(『さまよえる近代―グローバル化の文化研究』)

それによって、国民国家の確かさは、どうしても揺らぐ。


だから、国は文化の純粋化を目指す。

マイノリティが形成されて、国の確かさの揺らぎを転位させる対象として標的に据えられる。

つまり権力は、マイノリティを形成・再生産しつつ、文化の純粋化形成の文脈で、自己の立ち位置を安定化させようとするのだ。


とはいえ、安定化を図るその基盤はなかなか弱い。

だからこそ、暴力につながっていく。

暴力こそが、アイデンティティを形成し、不安を解消する手段となっていくのである。


最近は世界各地で、暴力をともなう争いが表面化し、ニュースで取り上げられている。

原著はもう15年も前のものではあるが、今でも十分に通用する議論、というか、今だからこそ十分に考えなくてはいけない問題であろうと、本を読んでいて思った。



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