ブラブラとコタ地区を歩く。
海洋博物館に着いた。
趣ある建物。
1774年にできて、オランダ東インド会社の倉庫として使用されたらしい。
戦時中には、旧日本軍が倉庫として接収したが、今は海洋博物館になっているという、歴史ある建物なのだ。
ちらっとのぞいてみると、おっちゃんが、どーぞ、どーぞと僕らを呼んだ。
おっちゃん、なぜか親切に色々なところを説明してくれる。
どうやら、博物館のボランティアらしい。
おっちゃんは、1つ1つ、説明を施す。
「魚と鳥を表しているんだ」
「パプアニューギニアだ」
「太平洋戦争時代のだ」
「交易品だ」
「鳥だ」
「大砲だ」
などなど…
「これで全てだ。港は行くか?」
「いや、飛行機の時間もあるので、もうホテルに帰ります」
「そうか、そうか。いやー、今日はありがとう」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございました」
「いやー、本当にありがとうな。港はいいのか?」
妙な間をとって、もう一度おっちゃんはいった。
「あ、はい。大丈夫です。ホテルに帰るんで」
「そうか、いやー、本当にありがとう。じゃ、ここでな」
「はい、ありがとうございました。では、行きますね」
おっちゃんはまた、変な間を作る。
「ここでお別れだ。いいな」
「はい、では」
「いやー。本当にありがとうな。というか、ここでお金払ってもいいんだぞ」
どうやらチップを待っていたのか。
あまりにボランティアっぽく振る舞うから、僕は勘違いしていたのだ。
「すみませんでした」
「いや、いや。いくらでも、いいんだよ。気持ちの問題だ」
「あ、そうなんですか。じゃあ、これを」
そういって財布からお金を取ろうとしたら、その額が見えたのか、すかさず
「1人50,000ルピア(400円くらい)でいい」
の声。
いや、いや。入場料はその10分の1くらい。
気持ちの割に高めだ。笑
そこからお互いの「気持ち」をめぐる交渉が始まった。
妥協の額で、おっちゃんは、気持ちのお釣りを渡して、そそくさと中へ入っていった。
最後は気持ちをめぐって話し合いの時間があったけど、海洋博物館に展示されているものはなかなか面白いので、おすすめだ。
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