元・国際交流基金の北村武士先生のご講演



北部タイ日本語日本研究コンソーシアムの合同事業として行われたセミナー。

元・国際交流基金の北村武士先生をお招きし、講演していただいた。



午前中はタイにおける日本語教育の歴史。

午後は聴解授業の教授法について。

どちらも刺激的だった。


僕の上司にあたるチェンマイ大学の先生方も教えていたと言う北村先生。



タイの日本語教育に、長年にわたって実際に携わってこられた方が語る歴史は臨場感があって面白かった。



また、聴解授業法についても非常に興味深かった。

聴解と言えば、例えばCDの会話などを聞いて何を言っているかを理解させるパターンが多かった。

しかし、全てを学生に理解させるのではなく、①音声の中でわからないところは捨て、キーワードだけを拾うようにさせること、②そのために「予測」と「推測」が立てられるように訓練してあげること、が重要だと先生はおっしゃっていた。


なぜならば、人間は誰しもがもともと、音声を聞いている時には必要な部分だけを選択して頭に入れている。

その選択は音声の文脈からの「予測」と「推測」によってなり立っている。


だから「聴解の授業だから」といって、音声を聞いて、その言葉すべてを理解させようとすることは根本的に間違い。

むしろ必要な情報を得るために文脈から「予測」と「推測」を立てる習慣を身につけさせるようにしてあげることが、教員としての役割として一番重要なのだそうだ。

学生に考えさせる授業。想像させる授業。

そのための具体的な方法も教わり、大変勉強になったのである。


教員に対する研修を長年されてきた北村先生。

とても面白かったし、圧巻。

何より、その温かい人柄に惹きつけられた。


今度バンコクでお会いする約束をして、お別れしたのであった。


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