100年前のタイ語史料の文章が示していたのは「逆柱」だった。タイ語で端的になんと呼ぶのか気になる。



100年ほど前のタイ語の史料を読んでいて、以前からどうしても意味がわからない文があった。

「家の柱が・・・上に・・・」

一体どういった意味なのだろうと思っていた。


今日、タイ人の先生に聞く機会があった。

そこでわかったのは、その文章が「逆柱」をあらわしているということだった。


逆柱自体、あまり馴染みのないものかもしれない。

それは建築物の柱について、木の生えていた方向と上下逆にしたものらしい。

タイ人の先生によると、それは呪術の力を高めるのだという。


例えば雨が降って欲しくない時に、レモングラスの葉っぱを抜いて、逆にして植えたりする。

これも逆柱の考え方に近いのだと先生はおっしゃっていた。


合点がいった。

この史料は、自分には特別な力があると語った者について書かれている。

その特別な力を持つ者は、家を逆柱にしていたらしいのだ。



逆柱は日本にもあって、こうした建築物では奇怪なことが起こるという。


あるいは、逆に完璧を作らないようにと、日光東照宮の陽明門の一本は逆柱らしい。

建物は完璧のあとは崩れ始めるという考えに従っているらしいのだ。


そういえばちょうど先週、授業で『徒然草』を取り上げたが、そこには内裏は完璧に造らずやり残す部分をもうけるのが良い、とあった。

これもまた、完璧をあえて避けることの表れであろう。


ということで、わからなかった史料の謎がパーとひらけた。


ただ気になっているのは、逆柱のタイ語での呼びかた。

史料中では「その家の柱は、上が根っこの方で、下が木の先の方」という書き方がされている。

だから端的な呼び方がわからないのだ。


もっとタイの逆柱を調べたい。

でも呼び名がわからない。

先生もわからないという。

お手上げだ。

どなたか、ご教示して欲しいものである。


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