コンソーシアムのセミナーで「日本事情」に関する議論が行われた。
各大学には日本事情、いわば言葉を教えることをメインとした授業ではない科目が必ずある。
日本文学や日本文化、日本社会についてなどの科目があげられるだろう。
各大学で行われている授業内容や教材などを皆で共有した上で、議論された。
その中で意見としてあったのが、
「今後、日本のことについて教えるべきなのは、歴史とか文化とかじゃない。社会に出てもあまり意味がないからだ。そうじゃなくて、会社に入って役に立つように、日本の企業文化やマナーなどを教えるべきだ」
というもの。
僕は、完全に反対である。
社会のニーズ。
それを踏まえて、こういう意見なのだろうけど、僕からすればそれを学びたければ、別に大学に行かなくてもいい(とまでは言い過ぎかもしれないが)と思う。
すぐに社会に出て、現場で実践として学んだ方が早い。
大学はあくまでも学問をする場だ。
物事を広い視野で考えられるようにする。
物事を深く考えられるようにする。
物事を論理的に考えられるようにする。
そうして、人生は豊かになる。
そりゃあ、大学で学んだことは、すぐに目に見える成果が現れるという類のものではない。
それなのに経済的価値を中心にすえて、「文化や歴史を学ぶことは意味がない」なんて悲しすぎる。
日本の大学も、まるで職業訓練所のように位置付けられてしまっているような場面があるようだが、タイの大学も今後、もしそんな流れになってしまうんだとしたら…なんだか、とても残念である。
<関連記事>
・北部タイ日本語日本研究大学コンソーシアムの合同会議
・国際交流基金の北村武士先生のご講演
・チェンマイ山奥、山形県タイ友好協会と桜を植える式典。
・シリントーン王女と「ゲーテ先生」
・タイ教員セミナーでの講演を終えて、恩師を思う。
鼓舞のクリック、よろしくお願いいたします。
0 コメント:
コメントを投稿