チェンマイ大に来てから、文学史の授業を担当している。

古代から近世までの時代を扱う。


僕は確かに文学部出身だが、専門は歴史人類学なので、文学作品のことはそれほど明るくない。

いや、むしろ薄暗い。


ということで、文学史の授業をする上で、大いに参考にさせていただいているのが、ドナルド・キーン先生の著作、特に『日本文学史』である。





先生の様々な文学作品に対する切り口や語りは刺激的で、圧巻。

僕を文学の世界に引きずり込んでくれた。


僕など全然、先生の足元の足元にも及ばない。

だから、授業では先生のご研究を大いに引用し、また学生に直接英文を読むよう勧めている。

先生のご見解はチェンマイの学生にも広がっているはずなのである。


キーン先生の訃報を今日、聞いた。

偉大な先生。ご冥福をお祈りします。



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「先生に毎日、あんなに見てもらって。たくさん練習をしてもらったのに入賞できなくて、本当に私は申し訳ない気持ちでいっぱいです…」

そう言って学生は、みんなの前で号泣した。

スピーチの練習で面倒を見ていた子だ。



そんなこと言われて、僕もちょっと涙が。

とんでもない。学生は本当によく頑張った。

練習を始める前と本番とでは、全然違った。




堂々としていていいスピーチだった。

お疲れさま。



いつでも、スピーチコンテストは悲喜交々。

他の子たちもよく頑張った。

チェンマイ大学からの出場者の中には、原稿作成から面倒を見ていた子もいた。



そんな子たちが舞台の上で、気持ちを込めてスピーチしているのを見ると、やはりグッとくる。



一文字一文字にこだわる学生らとともに、原稿を作ったことを思い出すものだ。



「先生、ありがとうございました」

出場した学生たちは、スピーチ大会終了後に言ってきた。

でもむしろ、こちらの方がお礼を言いたいくらいなのである。

みんな、お疲れさま。





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チェンマイはまだ朝夕は涼しく、風呂上がりにベランダに出るのは気持ちいい。

髪の毛を拭きながら、空を見れば、赤い月。




宇宙。

そういえば、今日ニュースで、小惑星探査機「はやぶさ2」がリュウグウという小惑星にタッチダウンしたと言っていた。

2014年12月に打ち上げられて、4年以上かけて着いた。

そして、今年の11月くらいまで調査をし、2020年11〜12月に地球に帰還する予定だという。

これによって、太陽系や人類の起源の謎の解明に向けて前進することが期待されているそうだ。


どうして復路の方が、短い時間で帰れるのかは詳しいことは知らないが、すごい技術に圧巻だ。


僕がここから見える赤い月のある宇宙では、はやぶさ2が起源の謎を解明するために働いているかと思うと、なんというか。

ロマンティックというか、気が遠くなるというか。

何より、怖くもなる。




天文学は面白そうだが、やはり恐ろしい。


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ラーンナー・タイ。

チェンマイを中心地としたタイ系民族の王国である。

13世紀末から20世紀初頭まで存続した。

そのラーンナーに関する講演会が大学で行われていたので、一部参加した。




一部なのは、僕自身、授業があったため、全部聞くことができなかったからである。

非常に残念である。


ご講演はスパワディー博士によるもので、内容はランナーに関する小説において、男がどのように表象されているかを読み解くというものであった。

ジェンダー研究の隆盛から女性のことにばかり目が向けられていることを鑑みて、逆に男に焦点を当てたのだという。


愛や戦い、精霊など様々なテーマの小説において、男がどう描かれているのかを分析。

そこから、社会や文化のどういった点が反映されているかを考察したのである。


最後まで聞けず、結論がわからなかったことが、残念。

講演内容は報告書にまとめられるらしいので、それを待つことにしたい。


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まだオープンして間もないOne Nimmanは、こじんまりとしていながらも、なかなかアートなスポットだ。


特に夕方、ちょいっと、散歩に行くにはなかなかいい。





One Nimmanは、色々な店が次々とオープンしている。





先日は、ついにThe Booksmithの本屋ができていた。




ニマンへミン通り沿いにもあるが、支店なのか、それとも移転させたのだろうか。

店内は落ち着いたムードで、気持ちいい。





どことなく、見た目がかっこいいから的に集められた本が多い気がしないでもない。

それでも本の文化的価値を重視して、こうしてお洒落スポットに店を出すという感性は気持ちいい。




チェンマイはアートな街だ。

これからもこうした店が次々に出店されるようになるだろう。



地域ぐるみのアート、楽しみだ。




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今日は、カリキュラム運営に関わる教員たちに向けた学内セミナーに参加した。

教員たちは授業計画書や授業報告書はもちろん、学科全体での教員陣の成果なども細かく書いて国に提出しなくてはならない。

その報告書内では、成果ごとに点数がつけられて、学科のカリキュラムの合否も決められてしまう。

ということで、なるべく点数に結びつく成果を出すことが求められるのである。



セミナーをボーと聞いていると、なんだか複雑。

まあ、複雑だからこそ、いかにしてささっと、その報告書を仕上げるかということが大切になる訳で、その方法を共有するセミナーといえよう。



日本も同じだと思うがタイでも、教員たちは果たして誰が見ているのか、本当に意味があるのかもよくわからない報告書の作成や雑務に追われている。

それでいて、論文を書け書け、発表しろしろ、成果を出せ出せと圧力もかかる。

自分の論文を書く時間をいかに確保するか。

教員たちの模索は続く。



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今日は旧暦3月の満月の日。

万仏節(マーカブチャー)だ。


仏陀が入滅する前に、偶然にも集まった1000人以上の弟子を前にして戒律を説いた日の記念日だという。

タイでは祝日だが、まあ、僕は大学へ行った。

書き物をしたり、今週土曜のスピーチに向けた学生への指導をしたりして、いつも通りの日なのである。

いや、むしろ忙しかったくらいである。



しかし、それではあんまり。

ということで、市内で食事をしてブラブラとお気に入りのお寺へ。





すると、どうやら今日は儀礼が行われる模様である。





そこで、待ってみることにした。

タイに関係する言葉のしりとりをツマコマとしながら、待つこと1時間。

仏陀像の周りに火が灯された。




なかなか幻想的。




仏陀によって説法されるシーンが象徴的に再現されているといえよう。



タイに来た頃は、目にする儀礼や祭り一つ一つに心が動かされたものである。

見るもの聞くものが真新しく、刺激に満ちていた。


しかし最近は、だいぶタイに慣れてしまい、また忙しさもあって、あまり儀礼や祭りを見に行く機会がなかった。

でも、こうしてたまに儀礼や祭りの世界観の中に入り込むと、ワクワクしていたころを思い出す。

「ああ、僕は今、昔憧れたタイに実際にいるんだなぁ」

そう深く感じる。

目で見ること、体で感じること。

それで、いろんな気持ちが沸き起こるものである。


一つ大きな徳をつんだ我々は、家路へ。

さすがに満月が美しい夜の始まりである。



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