ロケット祭り、ブン・バンファイ。 タイ・イサーンやラオスでは非常に一般的な祭りだ。 上空はるか高くまで竹製のロケットをぶっ放し、今年一年の恵みの雨と作物の豊穣を願う。(詳しい説明はコチラ) 先日、とある村でロケット祭りを見た。 ロケット発射台のまわりには、たくさんの見物客。 みなドキドキしながら、ロケットの設置を見つめている。 ロケットが発射台に入念に取り付けられる。 なかなかうまく設置されず、こちらとしては焦らされる。 巧みだ。 散々焦らされたが、いよいよ発射の模様。 周りは静まりかえり、固唾を呑んで見守る。 「1・・・2・・・・3!」 ロケットは白煙を吐きながら、空高く飛んでいく。 なかなかの迫力である。 周りの人々も半笑いで空を眺める。 すぐに次のロケットが装着される。 最初に焦らしておいて、あとは間髪入れない。 まったくもって、巧である。 「1・・・2・・・3!!!!」 静寂・・・ バーン!!!! 爆発音が鳴り響いた。皆、度肝を抜かれる。 暴発だ。 そういえば、以前このブログでロケット祭りを紹介したなかで、チャーリーウィラポン(ワールドダウンタウンより)もロケットを炎上させていた。 実は、ときおり死者もでるほどの、危険な祭りであることを思い出す。 白い煙が発射台を包んでいる。 発射台の人は無事か?と不安になる。 しかし、さすがにタイ人である。 そんな僕やギャラリーの不安をよそに、爆笑している。 「よーし、次だ!」・・・ とはいえ、多くのギャラリーは今の一発で身の危険を感じたのだろう。 ぞろぞろとその場を離れていく。 ぼくもご多聞に漏れずその場を去ることに。 カメラには、ロケット暴発の瞬間をとらえた写真が収められていて、驚いた。 なかなか決定的な瞬間である。 ちなみに、ぞろぞろと帰る人々の中で真ん中にいるオレンジの服の人はタイの女優さんである。名前までは知らない。 今年一年恵みの雨が降るように! <関連記事> ・ロケット暴発の瞬間。 ・ピーターコーン祭りの混乱・危機・再生 ・5年ぶりのピーターコーン祭り訪問。明日に備えて、古き精霊・先祖霊は舞台裏でひっそりと待つ。 ・男性器まる出しの黒塗りおっちゃんをめぐる2つの解釈。 ・色彩のピーターコーン祭り。異様な彼らは何者か? ・真夜中の泥川を泳ぐおっちゃん。ピーターコン祭の守護神招き。 ・ピーターコン祭り、おっちゃん達の神々への変身。 ・涙の連鎖 〜ピーターコーン祭のサムハ儀礼〜 ...
リクエスト。
閉店間際の大型ショッピングセンター・ロータスの電化製品売り場。 人はほとんどいなかった。 あと5分ほどで店が終わろうかというときに、電化製品を見に来る人間はまぁ、確かに少ないであろう。 すると、どこからともなく聞こえてくるタイミュージック。 あまり気にすることなくぶらぶらと歩いていると、時折音がはずれていることに気づく。 うん?と思い、音源に向かっていくと、商品であるCDコンポに勝手にマイクをさして熱唱している店員の姿がそこにあった。 ”熱唱”という言葉がぴったりとくる男性店員の姿。 こんな光景、日本ではなかなかお目にかかれない。 ビックカメラやヤマダ電機で、勝手に商品にマイクをさして熱唱している店員を見かける機会はそうないはずだ。 たとえ閉店間際といえども。いや、というか閉店後でさえも。 だが、タイではあまり珍し ...
ラオス山間部、夕方公共風呂。
夕方、二人の青年が欄干に座りこんで、なにやら語りあっている。 将来の夢でも語り合っているのだろう。 勝手な想像をしつつ、橋の下を眺める。 静かな川で水浴びを楽しむ人々の姿が広がる。 ラオス山間部を流れる川は、夕方になれば地域住民の公共風呂。 子供ははしゃぎ、大人はじっくりと体を洗う。 じっくりと。 それにしても、なんともいえずダイナミックな歯磨きである。 ワイルドとはこのことか、なんて思っていたら、突然のカメラ目線。 歯磨きをしているのにもかかわらず、なんとも鋭い眼光。 「何を撮っているんだ!この盗撮野郎!」なんて怒られてはかなわないと思い、その場をあとにした。 遠くから青年がやってくる。 「これから一風呂!」ってか。 タイに行きたきゃ タ ...
僧侶、象にのって托鉢。 タイ人が象を信仰するワケ。
象で有名なスリン県。 カオパンサー(雨安居)を迎えた先日、僧侶が象に乗って托鉢されるイベントが大々的に行われた。 映像を画像化したものなので画質が悪いが、それでも、雰囲気は伝わるであろう。 当日はタイ人だけでなく、異国籍の人々も多く集まって盛り上がったらしい。 それにしても、タイ人というのは、本当に象に対する信仰心が深い。 たとえば、象への信仰といえば、ヒンドゥー教のガネーシャが有名。 バンコク伊勢丹前に座すガネーシャの姿は堂々たるもので、見たことがある人も多いはずだ。 参拝客は後を絶たない。 タイは仏教が主な宗教といえども、ヒンドゥーの神も身近な存在なのだ。 だが、なんといってもタイ人の象への信仰として最も大きな影響を与えているのは仏教説話、特にジャータカの『布施太子本生経』だろう。 ...
ラオスの村で夕暮れ。山際と山の端。
ラオスのとある村で夕暮れをむかえると。 のんびりとしているようで、それなりにあわただしいことに気づく。 一日の終わりに向けて、子供も大人も僧侶も、村を闊歩する。 空は夕焼けで薄暗い。 田舎もいいもんだな。 まぁ、たまにだからか。 山が妙に近く、「山際」と「山の端」の違いを国語の授業で習ったなぁ、なんて思い出す。 あのとき、まさかラオスでその違いを考えることになるなんて思いもしなかった・・・ まぁ、そんな想像力があったら、逆に怖い。 というか、この人何しているのだろう。 タイに行きたきゃ タイに住みたきゃ ポチリとクリックお願いしま ...
竜神伝説と科学的解釈。
タイ東北部ノーンカーイ県で最近話題になっている、自然発火する石。メコン川底を浚渫しているときに見つかった。 川岸に積んでいた土砂から突然煙がたちこめてきて、作業員たちは「火事だ~!!」と大騒ぎ。急いで鎮火にあたってみると、出てきたのはなんだか妙にやわらかい黄ばんだ石。石が自然発火しちゃうということにみな、驚いたわけだ。 で、村人はこの不思議な石を目前にして、「竜神の吐いた火の玉じゃない?」なんて噂をたてている。噂は広まり、参拝者が後を絶たないという。 なんで彼らは、自然発火する石を竜神の火の玉と考えるのか。 それはノーンカーイ県でみられる、陰暦11月の満月の夜の日に限って100発以上もの正体不明の火の玉が飛び出るという現象に基づいている。 未だにこの火の玉が何なのか、科学的にも証明されていないが、地域の人々は「バンファイ・パヤーナー ...
ワットプー聖堂のおみくじには広告あり?
ワットプー聖堂を前にする。かなり痛みがみられる・・・。 側面からみると、ちと傾いている。 がたっと崩れたら・・・なんてことは考えずに中に入る。 奥にはちょっと間抜けな・・・なんてことも考えちゃいけない、神秘的な仏像がある。 ワットプー聖堂背後のリンガパルヴァ山は男性器を象徴するリンガの形で信仰を集めるだけでなく、地域の土地と人間を守護する精霊・祖霊(総じてピー)が宿っていると考えられている。いうなればチャンパーサックというくにの祖霊が宿っているわけで、その意味ではピー信仰の象徴的な場といえる。 とはいえ聖堂には、こんな若干お茶目な仏像も安置されている。まぁ要するに、精霊と仏教が混在した聖なる場。人々の信仰と実践においては仏教だろうが精霊だろうが、その分類にはあまり意味がないのである。 で、信仰の混在性という ...