タイ・イサーン、ムクダハーン県の小さな村。100年前の壁画を拝見。



2 コメント
タイ東北部イサーン、ムクダハン県、とある寺。

ここの古い壁画がどうしても見たくて、トゥクトゥクを走らせ訪れた。



まずは、ムクダハンの街にて、トゥクトゥクを呼び止める。

「ここのお寺に行きたいんだけど」

住所の書いた紙を見せた。

「おーい。こりゃ、遠いな・・・・こんなところに行くのか・・・こりゃ遠いぞ。そうだな、往復で500バーツ(約1400円)ってとこか」

香取慎吾さんがグーと横に引っ張られてしまったような顔をした兄ちゃんが言った。(引っ張られなければ、香取さんばりに男前だったはずだ)


いや、いや。ありえない値段だ。

「それは高すぎでしょ。もうちょっと何とかならない?」

「いや、本当に遠いんだよ。ここは」

「どれくらい?」

半笑いでたずねた。ついつい疑ってしまう自分が情けない。

「40km以上はあるな」


大げさな。都心から日野へ、土方歳三先生の旧宅を見に行くんじゃないんだから・・・

しかし、そうは思いつつも、土方歳三先生の旧宅ばりに、どうしても行きたい寺だったので、

「往復300Bでどう?」

「うーん。寺で何をするんだ?時間かかるのか?」

「ある壁画が見たくて、まぁ、そんなに時間はかからないと思うよ。壁画を見るだけだから10~20分くらい、かな」

「壁画?タンブン(徳を積む行い)か?」

「まぁ、それもあるね。この寺には古くてご利益のある壁画があるんだ」

ご利益があるというのは、申し訳ないがあくまでも予想だった。

「そうか。じゃあ、分かった。特別だぞ」




特別な割には十分高い金額だろうと思いつつ、ふりしきる雨の中、トゥクトゥクに乗り込んだ。

疾走するトゥクトゥク。

飛ばす、飛ばす。時速60~80kmほど出ているようだ。半屋外形状のトゥクトゥクは、風をモロに受けるので、体感速度はすさまじい。




そして、約40分間、トゥクトゥクは田舎道を走り、無事寺に到着した。

どうやら、引っ張られた香取さんが言ったことは、決して大げさではなかったようだ。かなりそこは遠く、しかも小さな村の中にあった。

独りでバイクなどを借りたとしても、なかなか行き着くことはできなかったであろう。

ということで、引っ張られた香取さんを少しでも疑ったことが申し訳なくなってきた。(僕は意外と気にするタイプなのだ)



ま、それはさておき、僕はすぐに壁画のある仏堂へ足を踏み入れた。



「おお!」

つい、言葉が出てしまうくらい、仏像の周りに描かれた壁画は、圧巻だった。

なんともいえず神秘的な雰囲気が漂っていた。



とりあえず、仏像に敬意を払うと、すぐさま壁画を眺め、写真に収めはじめた。


また、近くにいた僧侶や物知りなおじさんにいろいろと教示を受けた。



そんなとき、ちらっと視界に入る、引っ張られた香取さん。明らかに暇そうだ。

時計に目をやると、とっくに30分が過ぎていた。10~20分と言い放った自分の虚偽性に気づく。

だが、僕は壁画に釘づけだった。申し訳ないがもう少し待ってもらうことにした。



壁画は100年近く前に描かれたもので、テーマはジャータカのヴェッサンダラ本生話(=布施太子本生)。慈悲深いウェートサンドンの布施に努めた一生の物語が、壁一面に描かれていた。



タイでは、ヴェッサンダラ本生話をテーマとした壁画はポピュラーといえるが、100年ほど前に描かれたものが、こんな片田舎で現存するのは貴重だ。

しかし、ところどころ、痛みがみられたのも事実。

このままいくと、いずれは朽ちるだろう。

そんな運命をもった遺産と向き合っているのである。感じること多々だ。



して、ふと、気づけば、なんだかんだで1時間以上が経過していた。そろそろ行くか。

恐る恐る、外で待つ、引っ張られた香取さんを見る。

明らかにイラついている。

彼の、”いい加減にしろ”というオーラは、どんなに鈍い人間でも気づくことができるだろう。



そこで、気の弱い僕は

「いやぁ、ごめんね。すっかり時間かかっちゃったね。行きましょうか。これでお互い、たくさんの徳が積めたね」

と、努めて明るく笑顔で語りかけた。徳がつめたという言葉を出せば、少しは彼の怒りも静まると考えた。

「そうだな」

特に笑顔もなく、彼はそう答えると、またトゥクトゥクを疾走させた。

苛立ちも手伝ってか、往路以上のスピードを彼は出した。



30分ほどで、最初に乗車した場所に到着すると、僕は300バーツとともに、気持ち程度のチップを渡して彼と別れた。

横に引っ張られてしまった香取さんは、当然だと言わんばかりにチップを受け取り、トゥクトゥクを走らせ、ガソリンスタンドへと消えていった。

香取さんにとってどうかは知らないが、僕にとっては価値ある遺産にじかに触れることができた最高の時間だった。



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2 コメント:

匿名 at: 2010年9月7日 13:38 さんのコメント...

匿名です。毎月バンコクには行っているのですが、滞在日数が短くなかなかコンサートにいけませんでしたが、本日チケットメジャーのホームページにボディスラムのコンサート発見!11月27日土曜日、しかもカラマンガンスタジアム。すごいぜ。ゼッタイ見に行かなきゃ!!10月16日にもボディスラム、ポテト、ハングマンら多数のグループ出るイベント発見。これも航空券変更していきたいな。カラマンガか、、、とうとうボディスラムもここまできたか!!ita@san

Ryota Wakasone(若曽根了太) at: 2010年9月20日 13:27 さんのコメント...

Iさん。返事遅れてしまいすみません。
ずっとネットができなくて。

ところで、ボディスラム。
凄すぎですね。僕もぜひ見に行きたい!のですが、おそらくそのときは日本・・・
仕方ないから、DVDで我慢することになりそうです。
残念至極です。

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