タイ東北部ノーンカーイ県で最近話題になっている、自然発火する石。メコン川底を浚渫しているときに見つかった。
川岸に積んでいた土砂から突然煙がたちこめてきて、作業員たちは「火事だ~!!」と大騒ぎ。急いで鎮火にあたってみると、出てきたのはなんだか妙にやわらかい黄ばんだ石。石が自然発火しちゃうということにみな、驚いたわけだ。
で、村人はこの不思議な石を目前にして、「竜神の吐いた火の玉じゃない?」なんて噂をたてている。噂は広まり、参拝者が後を絶たないという。
なんで彼らは、自然発火する石を竜神の火の玉と考えるのか。
それはノーンカーイ県でみられる、陰暦11月の満月の夜の日に限って100発以上もの正体不明の火の玉が飛び出るという現象に基づいている。
未だにこの火の玉が何なのか、科学的にも証明されていないが、地域の人々は「バンファイ・パヤーナーク(竜神の火の玉)」と呼んでメコン川に棲む竜神が吐いていると信じている。
というわけで、今回の石が、地域の竜神伝説の文脈で解釈されているわけだ。
まぁ、実はこうした石は以前、タイ中部チョンブリー県でも発見されたことがあって、そのときの分析によるとリンだったとか・・・。だから、今回のケースもリンっぽい。
でも、今も竜神が深く信仰されている当地域の文化や伝承の文脈において、そんな科学的な解釈を振り回すことにどれほどの意味があるのか、といえば疑問だ。
不思議なことを前にして発揮される人々の想像力と解釈は、彼らのもつ文化的・歴史的背景と世界観に基づいている。そうした文化や歴史、世界観の理解に努めることのほうがよほど大切だろう。
「科学的じゃないものを信じる妄信者。後進的だね~」なんてのは、西洋/東洋、先進/後進・・・、といった二項対立構造にもとづいた解釈であって、今後の多文化社会を生きていくうえでは大きな障害となっちまうわけである。
とはいいつつ、なかなかそうした発想が抜けきれない僕や社会があるっていうのも事実なんだけど・・・うーん、矛盾。
まぁ、なにはともあれ、発火する石を見て竜神と結びつけるなんて、なんともロマンにあふれているじゃあないか。
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