象で有名なスリン県。
カオパンサー(雨安居)を迎えた先日、僧侶が象に乗って托鉢されるイベントが大々的に行われた。
映像を画像化したものなので画質が悪いが、それでも、雰囲気は伝わるであろう。
当日はタイ人だけでなく、異国籍の人々も多く集まって盛り上がったらしい。
それにしても、タイ人というのは、本当に象に対する信仰心が深い。
たとえば、象への信仰といえば、ヒンドゥー教のガネーシャが有名。
バンコク伊勢丹前に座すガネーシャの姿は堂々たるもので、見たことがある人も多いはずだ。
参拝客は後を絶たない。
タイは仏教が主な宗教といえども、ヒンドゥーの神も身近な存在なのだ。
だが、なんといってもタイ人の象への信仰として最も大きな影響を与えているのは仏教説話、特にジャータカの『布施太子本生経』だろう。
それは、ウェートサンドン太子(ブッタの前世)が熱心に布施行に励むはなしで、物語中で太子は我が子や妻をも布施するほど。(詳しくはコチラ)
タイの人々にとって、涙・涙の感動作なわけだ。
で、物語の中で象(白象)は、雨を降らすことのできる能力を持つものとして登場する。
特別な力をもつ聖なる存在として描かれているのだ。
して、この物語。
タイ人とっては非常に馴染み深い。
「テートマハーチャート」(イサーンでは「ブン・パウェート」)と呼ばれる祭りが一年に一度必ず行われ、この物語を拝聴する機会が設けられているからだ。
(ていうか、ラオスでも行われていて数ヶ月前それを見に行ったところ。おばあちゃんの話が印象的・・・・)
それに、タイの寺に行けば必ずといっていいほど、「布施太子本生経」の物語が本堂の壁に描かれている。
イサーンの田舎に100年以上前に描かれた壁画が今も残っていて僕を驚かせるとともに、香取慎吾さん風のトゥクトゥクの運転手から怒りを買った経緯は以前紹介したとおりだが、そこで描かれていたのも「布施太子本生経」。
しっかりと象も描かれている。
要するにタイの人々は、聖なる存在としての象が登場する物語を毎年毎年聞いて、しかもその物語を寺の壁画で日常的に見て感じる。
象が馴染み深く、信仰の対象になるのも納得できるというわけだ。
まぁいうならば、『源氏物語』に描かれる雅俗の視覚化が、日本人の根底に流れる「源氏文化」を形作るうえで大きな意味を持ち、いわば文化装置の一つになったんだ!という、『源氏物語と江戸文化―可視化される雅俗』に通ずるところがあるかな。
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匿名です。バンコクで象を見かけなくなり、寂しく思っています。いつも、エサをあげていたのに。私なりの数少ないタンブンでした。明日からタイ、バンコク。掘り出し物は見つかるでしょうかね。
返信削除確かにバンコクでの象はすっかり姿を消しましたね。まぁ、車がビュンビュン走るところを歩かせるのは危ないし、仕方ないと言えば仕方ないですが。でも、僕も象がかなり好きで、あの姿をあまり見かけなくなったのは、やはりさびしいですねぇ。
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