明日、あさってに行われるタクシン派赤服の大規模デモ。それに向けて、今日地方から続々と赤服が集結している。
その様子はリアルタイムでTVに映し出されているが、まるで赤服のお祭りだ。
昼ごろには、僕の住むアヌサワリーのあたりにも、数百人の赤服が通ったというが、それを見た人々が言うには、赤服は非常に楽しそうにパレード(?)していたという。
ただ、パトゥムターニーで赤服の1人とピンクの服を着たおっちゃんが殴り合っている映像が映し出されていた。ニュースによると、どうやら、先を急ぐピンクの服のおっちゃんは、赤服の大移動によって身動きができなくなってしまった。そこで、おっちゃんは警察官に赤服より先に行くことはできないかと相談したところ、赤服が何か文句あるのかみたいな感じになって、殴り合いになったらしい。まぁ、これは警察の介入ですぐに収まってはいたようだが。
というわけで、今日のところは、特に大きな衝突もなく、無事に終わったようである。
明日以降の大規模なデモが、どのようになるのか、非常に気になるところだ。
さてさて、タクシン氏についての続きだ。
今回はタクシン氏の国家観について、末廣昭氏の本を参考に、記しておきたい。
タクシン氏の国家観、政治観はおもしろい。
前回にも書いたとおり、タクシン氏はもともと、タイ最大の通信財閥を築いた実業家だ。そのため、企業経営に明るいタクシン氏は、国家というものを企業としてとらえて、政治運営を企業経営の手法にのっとって実施した。
“国は企業であり、首相は国のCEOである”という考え方である。
タクシン氏の企業経営の考えを政治運営に適合させたものとして、もっとも象徴しているのは、末廣氏によると、タクシン首相の公的債務に対する姿勢だという。
タクシン氏は、電気通信会社の資金を、社債や株式の発行に依存する直接金融方式によって得ており、銀行からの借入れは極端に嫌ったという。
その姿勢は、政治運営にも反映される。つまり氏は、対外借入を嫌って、あくまでも国債の発行や民間資本を活用することで資金を調達したのだ。外部から資金援助ではなく、自分の国で資金調達をしよう、ってことである。(実際、タクシン氏は海外からの資金援助を拒絶した)
このように、タクシン氏は、自身の経験を最大限にいかして、CEO首相として、“タイ国の株式会社化 Thailand Incorporated”を進めたのだ。(後にはタイ国のタクシン株式会社化と批判されるが)
ではタクシン氏は実際にどのような政策を展開したのだろうか。
それは続きとしたい。
<参考>
末廣昭タイ 中進国の模索 (岩波新書)
McCargo, Duncan and Ukrist Pathmanand:The Thaksinization Of Thailand (Studies in Contemporary Asian History)
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