ラオスの長距離バスでの、孤独な戦いについて記そう。 今回僕は、ビエンチャンからルアンパバーンへ、長距離バスを利用してみた。 バンコクからタイーラオスの国境ノンカイまではVIPを利用し、その快適さを満喫したことで味をしめた、といってしまえばそれまでかもしれない。 そんな快適な旅をどこかで期待していたのだ。 ところがどっこい、どうやら僕はラオスをなめていたようだ。 VIPとは名ばかり。外見はそれなりに立派でも、内部はお世辞にも綺麗とは言いがたい。 トイレもない。 妙な匂いも漂う。 どういった意味でのVIPなのだろうか。 で、席も半端ない狭さだ。 一番前に座していたのだが、普通に座っていてもひざがつかえてしまう。浅く座ろうものなら、ひざが痛くて悲鳴をあげ、変な方向に向かわざるを得ない。 また、それだけでも十分に ...
悠久のメコン。
数年ぶりに訪れたラオス。 いろいろと変わった部分もあるようだ。 それでも、メコンの雄大さだけは何も変わっちゃいない。 夕焼けをバックにしたメコンの風光には、いつも心を奪われる。 写真は、ビエンチャンでのメコンの眺めだ。 金曜ロードショーのオープニングのような黄昏っぷりを見せつける彼を、僕は誰だかは知らないが、きっと彼もまたメコンの流れに心を奪われているのだろう。 で、ビエンチャンから上流に400kmほどさかのぼったところに位置する、ルアンパバーン。 かつては、ラーンサーン王国の中心地だった。 今は、街全体が世界遺産として認定され、多くの観光客を集める。 僕は、今回初めてルアンパバーンに訪れたが、地域の人々が、メコン川とともに歩んできた歴史を感じずにはいられない。 街に現存する寺の多くで、奉納された龍や船が見受 ...
タイーラオス国境付近の不思議なおじさん。
ラオスとの国境に位置するノンカイ県。 ラオスに向かう途中、トゥクトゥクの兄ちゃんを撮ったら、ちと、不思議な写真になった。 いったい、運転手の右肩口に写っているタンクトのおっちゃんは、どこにいる人なのだろうか。 当初はバックミラーに写りこんでいるのかと思ったが、どうやら違う模様だ。 ピックアップの後ろに乗っているのか? うーん。妙に姿勢がいいな。武士のようだ。 まぁ、その割には肌け過ぎか。 うーん。 ラオスのルアンパバーンにて、西洋人だらけのカフェで今、これまでの写真を見直していて、思っているしだいである。 ま、きっと、ピックアップの後ろに、姿勢をただして、朝の風を浴びながら、進行方向をキリリと見つめる、タンクトのおっちゃんなのだろう、な。 結論は。 応援のほど、よろしくお願いいたします にほんブロ ...
タイ長距離バス。これいるか?
タイの長距離バスで、「この仕組みはいるか?」といつも思うことについて書いておこう。 北バスターミナルでバス乗り遅れるという最悪の事態になりつつも、僕はなんとか無事にラオスに向かった。 バスは走り出して、10分もしないうちに消灯となった。 皆、眠りにつきはじめる。 スヤスヤだ。 僕もくりぃむしちゅーのポッドキャストを聞きながら、ご他聞にもれず眠りにつくことに。 VIPだけあって、座席数も極端に少なく(3シート8列)、いつものバス車内での睡眠よりも快適な眠りが訪れた。 スヤスヤだ。 しかし、深夜12時半。 突然、車内に電気が灯される。闇を切り裂く強烈な光。 車内がパーと明るくなったことで、皆、キョロキョロしはじめる。 僕もご他聞にもれず、キョロつく。 「休憩でーす!20分間でーす。ご飯の時間でーす!」 車内にこだまする、バスガイドの声。 そう、これは長距離バスではおなじみの光景。夜も深くなるこの時間帯に、なぜか食事をさせるのだ。 でも、いつも思う。 この時間帯の食事休憩はいるか? 別に受験生じゃないんだし。 まぁ、それでも無料ということで、なんだかんだ言っていつもきちんと食べる僕は、一貫的主張にかけているといえば、それまでだが。 ちなみに今回の休憩所は、初めて来たところだったが(バス会社によって休憩所は異なるのだ)、なかなか綺麗な施設だった。 まぁ、便所の男性用を指し示す写真が、タイ東北部のイメージとはかけ離れてはいたが、そこは言いっこなしだ。 そして、そんな男前の写真近くにいたこのタイ人。なんか全体的に凄いことになってたから、写真におさめておいた。 見ず知らずの異国人に、こんな風に写真に撮られたとは、彼は夢にも思っていないはずだ。 ...
長距離バスに乗り遅れる経験。恐れ入ったよ!タイ人。
20時30分 バンコク発ノーンカイ行き。VIP長距離バス。 今回、これに大きく乗り遅れてしまった。人生初の経験である。 でも、実はなんとか無事、時間通りにラオスのビエンチャンについているという事実もある。 ※ ビクトリーモニュメント(戦勝記念塔)のアパートを出たのは、19時過ぎだった。 バスターミナルのモーチットマイまでは、何事も無ければ30分ほどの道のり。1時間以上も前に出れば十分のはずと目論んでいた。 それに、長距離バスは、定刻どおりに出発することはまずない。必ず、10分以上、下手すれば1時間も遅れて出発することがあるものだ。 というわけで、乗り遅れるとは思いもよらなかった。 バスターミナルへと向かうタクシーがまったく動かなくなったのは、ターミナルまであと数キロ、チャトゥチャック付近である。 大雨も降りだす。 車はうんともすんとも動かない。 とはいえ、あと出発の時間まで45分以上。それまでには着くだろうと考えた僕は、バンコクの渋滞事情を甘くみすぎていたのか。あるいは、普段チャリにしか乗らない僕の想像力の限界か。 ということで、ふと気づけば、出発まであと10分。30分前にいたところから、数百メートルしか進んでいない。 長距離バスは定刻どおりに出発することはまずないとはいえ、やはりソワソワする。 VIPのバスチケットである。値段も安くは無いのだ。なんとかしなくては。 すぐにチケットを取り出し、電話をかける。 「渋滞がひどくて、遅れそうなんだけど」 「ここじゃなくて、○○○ー○○○○に電話して」 たらい回しにあう。 そうこうしているうちに、時間は20時40分。これは、まずい。 「分かりました。伝えておきます」 たらい回しの末の電話で、こんな返事が返ってきた。 タイ人の「伝えておく」にどれほどの信憑性があるかは分からないが、これでとりあえず安心する。 それにしても車は一切動かない。しかし、大雨の中、重い荷物を抱えて走るまでの持久性と根性を、僕は持ち合わせていない。 すると、神の助けのようにバイクタクシーの姿を見つけた。タクシーを飛び降りて、バイクの後ろに乗り込む。 「バスターミナルまで、ダッシュでお願い」 「了解!」 心地よい即答どおり、バイタクの兄ちゃんは、すっかり川と化した大渋滞の道をジャバジャバと突き進んでいく。 すっかり、ビチョビチョだ。でも、そんなこと言ってられない。 20時50分。バスターミナルに到着。99番にノーンカイ行きのバスがあるはず。しかし、見当たらない。 「ノーンカイ行きのVIPは行っちゃった?」 「行ったよ」 愕然とする。 「出発したけど、あの先にいるバスに乗り込め!急げ、急げ!」 僕は雨の中、荷物を抱えてひた走った。夜のバスターミナルの光は綺麗だ、などと考える余裕はそこにはない。 おっちゃんの指定したバスに乗り込む。でも、行き先が明らかに違う。 本当にこれでいいのか?と思いつつ、チケットを提示。 これでいいらしい。どうやら、途中ランシットで降りて、後からやってくるVIPを待ち、乗り換えるそうなのだ。 先に行ってしまったVIPバスを必ず抜き去るという自信は、果たしてどこから来るのかと不安に思いながら、僕は黙って窓の外を眺めていた。 いやぁ、恐れ入った。 車窓から、僕の乗る予定だったVIPを見かけた、と思ったときには、もうサーと抜き去っていったのだ。 というわけで、ランシットで僕は無事にVIPの心地よいバスに乗り込むことに成功したのである。VIPまでの道のりは長かったわけだ。 教訓。 バンコクの渋滞は半端ない。でも、タイ式で行くと、乗り遅れても意外となんとかなる! ...
タイの泣けるCM ”タイ生命保険~人生編~”
久しぶりに、タイの泣けるCM紹介である。 泣かせてくれるCMといえば、やはりタイ生命保険のものだろう。 ”合唱編”、”時間編”、”トーイお母さん編”、”マイガール編”、”チウおじいさん編”に続き、今回は、”人生編”を紹介する。 これも相当泣ける。いや、号泣だ。 女性は医師に、予定日よりも早い時期の出産を願い出る。 旦那が病気のため、彼女と旦那、そして生まれてくる子供の、3人のための時間は残りわずかなのである。 子供を無事出産した女性は、産後2時間で赤ん坊を抱いて病室を抜け出し、旦那の下へと向かう。 すでに旦那は脳死状態に近づいていた。 それでも、父のもとに寄り添うことができた赤ん坊。 赤ん坊の手は、しっかりと父親の指を握りしめた。 そっと涙を流す父親。 ナレーションは語る。 「私たちは人生を送る中で”なぜ生まれたのか?なんのために生まれたのか?”などと多くの疑問を感じる。 すべてに答える必要は無い。 ただ一つ。”誰のために生きるか”ということだけだ」 そして、最後に父親がビデオレターで、未来の子供に語りかける。 「息子よ。お母さんの面倒をよくみろよ。いいな。お母さんをたくさん、たくさん愛せよ。お父さんも、お母さんをたくさん、たくさん愛している・・・。お父さんは、本当にお母さんを愛している・・・。いいな、お母さんの面倒をよくみろよ・・・」 いやはや、なんというCMを作るのだろうか。 生命保険というのは、あまり好きじゃないけど、タイ生命保険のCMはいつも良すぎだ。 (function(d, ...
Bodyslamのヴォーカル、トゥーン君に出会って少しだけ(本当に少し)話したことは、前回の投稿のとおりだ。 そして、前回、最後に触れた、僕が今はまっているBodyslamの曲、”คิดฮอดキットホート(恋しい)”。 モーラム歌手シリポンとのコラボで、歌もさることながら、映像がかなりかっこいい。 タイ東北部イサーンの象徴としてのシリポンのモーラムと、タイ中央部を象徴するボディスラムのロックの融合は、現代タイが抱える対立構造を無くそうという意思のあらわれかもしれないなぁ。分からんけど。 そして、最後には、雨の中で皆一体となって踊り狂う。 いやぁ、しびれるね。 で、歌詞はこんな感じである。(直訳するとあまりに意味が通らないところがあるので、そのへんは雰囲気です) ※シリポンのパートは、斜体文字。 คิดฮอด 恋しい คล้ายจันทราที่อับแสง ...
僕は、タイのロックバンド、Bodyslamが大好きだ。 友人にBodyslamのライブに行かないかと誘われた。(友人は生粋のボディスラムファン。ライブに行った回数数え切れず) 久しく彼らのライブを見てなかったし、新しいアルバム「クラーム」も出ていることなので、僕は行くことにした。シリポンとのコラボ、「คิดฮอดキットホート(恋しい)」は最近のお気に入りで、これも聞けるかもしれないという淡い期待を抱いていた。 しかし、ライブの始まる深夜、会場に到着し2人で店内に入ると、べらぼうに高い酒を頼むことが絶対条件だと、店員に勝ち気に言われた。 生粋のファンである友人も、そんなバカ高い値段を払うことがライブを見る条件、という会場にはいまだ出くわしたことがなかったらしく、驚き。 そこまでして見なくていいか、という結論に達し2人、トボトボと店 ...
ここ最近、バンコクは雨がしとしと降り続いてます。 今日、日本に住む親友が、WORLD DOWNTOWNの”俺のほうがすごいぞコンテスト”の映像アドレスを送信してきた。 ワールドダウンタウンは好きな番組なので、もう何度も見たことがあるシーンだったが、それでも思う。 ああ、いい映像だなぁ。 単純に面白い、のもそうなのだが、それよりも、なんだかこのレストランが、突っ込みどころ満載なタイの雰囲気を端的に示す縮図に思えたからだ。 大声を出す男や、歯磨き粉一気飲み(食い?)する男。 コーラや水を一気飲みするのに、なぜか最初から蓋を開けておかない2人。 そして、いざ呑んでみても、速度は遅いは、ゴボゴボこぼしているは・・・ もう、日本人の我々から見れば、突っ込みどころ満載だ。 それでも、皆楽しく愉快に笑いあう空間。 タイの空気 ...
ランシットの水上マーケット。
何かと心地のよい、日曜の午前。 宝くじをぶらぶら見ながら(理由がある!)「せっかくの日曜日だ。何かいつもと違うところで飯を食おうかなぁ」と思いたった。 すると、目の前で、ミニバンを待つ短めの列。行き先は”ランシット”とある。 せっかくの休日だ。行ってみるか。 ふらっとその列に並び、2~3分ほどで現れたミニバンに乗り込んだ。 ランシットは、バンコクのアヌサワリーから北へ20~30分ほどの距離のところにある。ドンムアン空港の先だ。 タイ東北部イサーン地方や北部に行くとき、通過してはいるのだが、実際に降り立ったことがなかった。結構大きそうなその街が、いつも、気になっていた。 それに、ランシットには水上マーケットがあると聞いたこともある。 水上マーケットは、タイ観光の目玉の一つだが、実のところ僕は一度も見たことがなかった。 ミ ...
ランナムの爆発音と寅次郎。
とある本のコピーを、お気に入りのスキャナーで読み取っていた、30日の深夜1時。 外で突然、ドカーン! という音が、鳴り響いた。 なんだ、なんだ?爆発か? 思い出したのは、”男はつらいよ 寅次郎頑張れ! ”の回で、中村雅俊さん扮する通称ワット君が、下宿先であるとらやの2階で、ガス自殺を図って、爆発させたシーンだ。 「なんだ、なんだ!?空襲か!?」 1階にいた寅次郎のその叫び声と家族全員での慌てふためく様に、その昔、爆笑したのを覚えている。 まぁ、そんな話はさておき、タイ・バンコクは、つい最近まで、タクシン派赤服UDDと政府の対立で、内戦状態にあった。 現在のところは、だいぶ落ち着きを取り戻してはいるものの、それでも先週はビッグCラーチャダムリ店(チットロム)前で爆発があり、1人が死亡している。 まだまだ油断できない状況なの ...
土中より発掘。歴史的ロマンと、宝くじ。
8942 2923 この数字にかかわる宝くじが、今、手に入りにくいらしい。(タイの宝くじや闇くじは、自分で好きな数字を選んで購入する) いや、もしかしたらバンコクでは、まだ購入の余地があるかもしれないが、少なくとも、タイ南西部プラチュアップキリカン県あたりでは、売り切れとのこと。 抽選日を目前に控えた今(タイの宝くじ”ロッタリー”の抽選日は毎月1日と16日)、僕もこの数字のくじを購入したい気持ちにかられている。 そもそも、この数字のくじが売り切れになっている理由である。 それは、プラチュアップキリカン県カングラダイ村の海岸近くの地面を、ダムを作るために掘削していたところ、少なくとも60年は経過した船が発掘された。 で、その船の側面に、上記2組の数字が彫られていたのである。(写真はhttp://www.khaosod.co.th/ ...