プラーム(民間バラモン)による事故犠牲者の招魂儀礼



夜、どうしても冷たいものが飲みたくなる。シェイクの気分だ。

夜の11時をまわっていたが、まだ開いていることを願って、近所のシェイク屋へと急いだ。

夜のアヌサワリー(ビクトリーモニュメント)のバスロータリー前は、深夜にもかかわらず、いろいろな屋台が出ていて、まだ明るかった。



あった。開いてた。こんな時間にシェイク屋が開いているのは、日本では考えにくい気がする。



それはさておき、すぐさま、ヨーグルトにバナナを混ぜたシェイクを注文。

さすがにおいしい。

夜風も心地いい。

といった具合に、満足気味でブラブラと歩いていると、途中、なにやら道路で火が炊かれている。そして、その火を若者が囲んでいる。



なんか若者が悪さでもしているのかな?と最初は思ったが、よく見ると、中心にいる人間が儀礼的な動きをしていることに気づく。

そこで、近づいていってみる。やはり儀礼。プラームといわれる民間バラモンが招魂儀礼を行っているようだ。



そこで、周りで見ていたおばちゃん達に話を聞いてみる。

おばちゃん達によると、去年末くらいに、ここで10代の青年がバイクで転倒し、後ろから来たバスに踏まれて亡くなったのだそうだ。それはもう、事故現場は悲惨だったという。

そして、その亡くなった青年が最近、ご両親の夢に出てきて、「まだ魂が轢かれた現場に残っているから成仏できない」と訴えたのだという。そこで、ご両親は今回、プラームに儀礼を行うように依頼したのである。

僕が到着したときには、儀礼はもう終盤に差し掛かっていたようで、詳しくは見れなかった。

というよりも、泣いているご両親を見ると悲しい気分になって、見ていられなかったといったほうが正確かもしれない。

ただ、プラームの儀礼にしては見たことない動きや道具が多々あったので、これまたおばちゃんに聞いてみると、中国式だからちょっと違うんだと説明を受けた。

タイには中華系タイ人が多く、どうやらご両親もそのようだった。


プラームによって炊かれた火は、煙に変わって夜のアヌサワリーの空に上っていく。亡くなった青年の魂が無事に成仏されることを祈りながら、その場を後にした。




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