ウボンの社会問題セミナー~初日午後、討論会~



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セミナー初日。午前中のプログラムが終わると、ウボンラーチャパット大学文化センター内にて、皆で昼食をとった。朝から何も食べていない僕は、正直、この時間を待ちわびていた。

昼食は、丸テーブルを5,6人で囲んでのものであった。ということで、いくら腹が減っているとはいえ、小心な僕は緊張しないはずがない。ま、先生が横に座っていたことは大いなる救いだったが。

食事中、もう一方の隣に座ったおっちゃんが、やたらと笑顔で話しかけてきた。話しかけてくる内容はセミナーに関するものであり、ウボンの社会問題に対する意識の高さが伺える。

でも僕は、おっちゃんの言葉に「はい」とか「へぇー」とうなずきなら、隙をみては食事に走った。いかんせん腹が減っていたのである。

突然先生が、隣のおっちゃんに、僕の名前と日本人であることを紹介してくれた。

そこで、おっちゃんは僕が日本人であることを初めて認識し、驚いた様子。どうやらおっちゃんは、「はい」くらいしか言わない、無口なタイ人だと僕のことを思っていたようだった。

僕は食事をしながら、隣のおっちゃんに自分の研究内容を話すと、そのおっちゃんは興味を持ち、いろいろと教えてくれた。明日にはそれに関する資料を持ってきてくれるという。非常にありがたい話である。(ま、実際には、そのおっちゃんはセミナー2日目に来なかった)




さて、午後1時になり、僕は3グループの部屋へと入った。

部屋には15人くらいの人びとがいて、まずは簡単に自己紹介。郡の役所の人や、村長などが集まっていた。




僕は、日本から来たこと、そしてイサーンの村の歴史や文化に興味をもっていることを簡単に述べた。

そして、そこから休みなしの4時間。4時間、ずっと討論である。

ウボン県が抱える問題点、解決方法などを、みなでとことん話しあう。村・郡の人々が、ここまで現状に対する問題を深く認識し、考え、討論し、答えを出していくのかと、その圧倒的なパワーに驚かされた。

ただ、グループの中に一人の僧侶がいて、この僧侶の話がちょっと長くて参った。けどまぁ、そこは言いっこなしだ。ありがたく拝聴すべきだろう。



また、討論の聞き取りが僕にとって非常に困難だった。ウボンの郡・村の人々ということで、やはりラオ語が主だったからだ。

討論をしている人たちは時折、先生や僕に対して、「ラオ語で討論してしまってますが、大丈夫ですか?」と問いかけてきた。先生はタイの中部地方出身なので、コアなラオ語は不明な点もでてくるのだろう。いうなれば、関東県出身者が、かなり強度な東北弁で展開されている議論に参加しているようなものだろう。

でも、もちろん謙虚が売りな先生は、「大丈夫です。まったく問題ないです」とラオ語で答えていた。でも、僕に関して言えば、正直分からない言葉が多かった。

それはさておき、4時間におよぶ討論の末、ようやく一定度の結論が提出された。それは次のようなものである。

①ウボンの抱える問題点と解決すべき順位
1位 大人たちの振る舞いの悪さ
2位 家族の問題
3位 社会的環境の悪さ
4位 若者たちの問題
5位 借金の問題

②解決方法
・大人たちの振る舞いを改善するために人びとで教育しあう
・若者たちに社会的な活躍の場を設ける
・社会的な良し悪しの判断の向上をはかる
・仏教的教えの普及

③誰が一番の主体か
・村長や群長、僧侶などの社会を引っ張っていくものが主体となっていく。もちろん、村人個人個人の人間的向上が基本となる。

結論自体は特に真新しいものではないかもしれないが、それまでのプロセスに意味があったと思う。

議論は当初、参加者がそれなりに年をとった人たちが主だったということもあって、若者の悪い点が強調されていた。暴力、酒、麻薬、性のみだれ・・・などだ。

しかし、次第に、そうした若者は、結局のところ親や周りの大人たちの影響をたぶんに受けているのであり、それはつまり我々大人たちの振る舞いにこそ問題があるという結論にいたったのだ。

やはり議論や論文は、プロセスが面白い。

こうした討論結果を引っさげて、明日は、各グループによる発表会となる。



セミナー終了後、明日バンコクに戻ることになっている先生とともに、いろいろなことを話しながら、ブラブラとウボンの街を歩いた。

先生は僕の拙いタイ語を必死に理解してくださり、真摯に答えてくれた。そして、来週研究所に行くことを約束して、先生と別れた。


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