タイ・ロッブリーの猿たち喧嘩のニュース。コロナウイルスを原因として語るメディアの論調に、大きな疑問と怖さを感じる。
ロッブリーの街の様子を、タイのニュースで見かける。
かつて3年間住んでいた街なので、やはり興味が湧く。
ニュースでは、たくさんの猿たちが喧嘩をしているという映像が流れる。
どうやら、エサの不平等にもとづいた、猿のグループ間の喧嘩らしい。
しかし、日本ではこの猿たちの喧嘩について、タイとは違った論調で報道されている。
日本では、コロナウイルスとの関連で語られるのである。
たとえば、「【映像】バナナを巡ってサルが大狂乱 タイ中部観光都市ロッブリー」というYahoo!ニュース。
「普段は観光客がくれるエサで十分賄われていたサルだが、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響で、観光客の足がパッタリ途絶えてしまった。そうなると、いままでありつけていた食べ物もなくなり、数百匹のサルが腹をすかせる結果になった。人間でいえば「路頭に迷う」という状態だ。そんな中、1匹のサルがバナナを持っていたことから、この狂乱が始まったという次第。」
と書かれている。
僕はこの記事に、違和感を覚える。
なぜならあの猿たち。
別に観光客のエサで生きていた訳ではない。
地域で猿にエサをあげる人たちが、きちんといる。
ただ今回は、エサについて猿たちの4つのグループ間で不平等性があり、それが喧嘩・暴動につながったと、タイの現地メディアは伝えている。
(しかも、バナナではなく、冷たいヤクルトが直接の引き金になった、とも言っている)
まあ、要するにコロナの影響ではないのだ。
でも、日本で流れるニュースの論調は、「コロナウイルス→観光客激減→エサがない→暴動」。
地域状況や猿の縄張り争いの実態が、ねじ曲がっているのである。
物事というのは、なんとなくそれっぽい理由において、語られることが多々ある。
そして、人は疑いの目を持っていないと、その論調を簡単に正しいと思い込んでしまうものだ。
地域の実情と、ニュースとなって語られることのズレ。
ロッブリーのニュースなんて氷山の一角。
報道というのは、恐ろしいものである。
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こんにちは
返信削除日本のマスコミ。こういうのよくありますね。
この前もチェンマイのコムローイが東日本大震災の追悼だとか。
フェイクを通り越して、ニュースはファンタジーになっているようです。
こんにちは。
返信削除コメントありがとうございます。
本当、視点次第でニュース内容はいくらでも変わりますからね。
恐ろしいですねぇ。
ファンタジー、ですか。笑