ござだけが敷かれた、薄暗い、がらんとした部屋。
冷蔵庫もテレビも、ない。
そんな部屋に1人で住むおばあさんは、我々来訪者を迎えるため、横たえていたござから、ゆっくりと身を起こし、こちらに近づいてきた。
80歳くらいのおばあさんは、体の調子があまり良くないらしい。
我々は、バンコクからの土産を手渡すと、おばあさんはタイ式の挨拶”ワーイ”をして、それを受け取り、部屋の片隅に置いた。
おばあさんとしばし、談笑。
体調が芳しくないおばあさんは、親戚たちの勧めで、モーラム・ピーファー儀礼を受けたという。
モーラム・ピーファー儀礼は、イサーンの村において、病人を治すために行なわれる呪術的な儀礼。
村のピーファー儀礼を行なう女性たち(世襲制)が集まり、踊る。
これにより、天の精霊が女性たちに宿り、病人を快癒に向かわせると信じられているのだ。
僕も以前、ピーファー儀礼を見たが、女性たちはトランス状態になって、踊っていた。
そして、儀礼の甲斐あってか、あれから数年たった今でも、おばあさんは元気だ。
喜ばしい限りである。
しかし、儀礼において踊っていた女性の1人が、儀礼から間もなく、亡くなったらしい。
交通事故だったとか。
人生、分からないものである。
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