日本から遠く離れた村にいると、ちょっとしたことでも”袖振り合うのも多生の縁”を感じる。
タイーラオ国境付近の村。
バイクを飛ばし、適当な小道に入り込んでみる。
森に囲まれた田舎道。
時折、土で汚れた人びとと、すれ違う。
きっと道は、田畑へと続いているのだろう。
前方に、お世辞にも綺麗な服装とはいいがたいおっちゃんが、ぶらぶらと歩いている。
これはおそらく、彼の横をすり抜けるとき、話しかけられるだろうなぁ。
「オーイ。サバイディ・ボー?(元気か?)」
・・・ホラね。
笑顔で、「サバイディ(元気です)」と答える。
だが、そのあとおっちゃんは、あまりに訛り過ぎたラオ語でまくしたてたので、僕には何を言っているのかよくわからなかった。
笑顔で、その場を後にする。
しばらく進むと、畑作業に向かう夫婦と出会った。
僕は会釈をして、カメラを向けてみる。
男らしく運転しながら微笑む旦那さんと、照れくさそうに少し顔をそむけた奥さんが印象的だ。
なんだか、ほのぼのとさせられる。
この場所には二度と来ないかもしれない。
あまりに適当に走ってきたので、ルートも覚えていないし。
だから、この夫婦に会うこともないだろう。
それでも、たとえ一瞬とはいえ笑顔を交し合い、温かい気持ちになれたことは、幸運だ。
”振袖り合うも多生の縁”
日本から遠く離れた地での出会いは、大小問わず、きっと宿世の因縁による、そう信じてやまない。
そういえば、ルアンパバーンの博物館で見た歴代のラオスの王様の写真が僕の祖父にそっくりだった。
僕はもともと、ラオ系の人間だったのかもしれない。
まぁ、分からないけど。
田舎の小道を往来する人々ともう少し触れ合おうと思い、道端に座ろうとしたら、あまりにでかい体と牙をもった蟻たちの姿。
サンダルの僕は、ダッシュでバイクに飛び乗り、その場から逃げ出した。
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