「あー、若曽根先生。久しぶりだね。覚えているよ。あれ、背伸びたね?」
僕が10年以上前にバンコクに留学していた際にお世話になっていた先生に、そう言われた。
先日、バンコクへの出張で、東洋大学のバンコクオフィスに挨拶にいった。
そこのアカデミックアドバイザーとして、先生がいらっしゃった。
先生は東洋大学で人類学のドクターを取得後に、チュラロンコーン大学で教鞭を取られていた。
定年退職後も、チュラやその他の大学で特別のご講義をされているらしい。
先生は僕の留学した大学院での指導教官だった。
僕はもともと日本の江戸時代の研究をしていたがタイが好きだったので、「日本とタイの比較史研究をします」と言って、タイに来た。
「サワディーカップ」しか、タイ語は知らなかった。
とりあえずバンコクに住んで、タイ語学校に半年通った。
その後、日本の大学の先生からの紹介で、なんとかチュラの大学院に入ることができた。
とはいえ当然、タイ語はまだまだで、授業は大変。
そして、どこを研究対象地域にしていいか、具体的に見えていなかった。
そんな中で指導教官だった先生の人類学のゼミでは、タイ東北部のフィールドワークが必須だった。
先生には、ローイエットやシーサケート、ムクダハーンの村に連れて行ってもらった。
特にローイエットは、それから頻繁に通うこととなった場所である。
家族ぐるみで本当にお世話になったものだ。
そして今でも、タイ東北部やラオスを研究フィールドとしている。
いわば、先生は研究のきっかけをくれた恩師なのである。
10年以上ぶりにお会いした先生は全く変わってなく、驚かされた。
先生のご著書もいただいた。
「それにしても先生、全然お変わりないですね」
「そう?ありがとう。若曽根先生は背が伸びたね」
先生から「若曽根先生」とか言われるとむず痒い。
というか、2度目。
そして、そもそも20代後半から40才過ぎの間に身長が伸びることはないだろう。
そう伝えると、先生は爆笑していた。
先生の笑顔と優しい感じを久しぶりに思い出した。
とても温かい面会だった。
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