深夜ウイスキー、かたむけたらヤモリ割り。



一仕事終え、そろそろ眠りにつこうかという深夜。 

たまには寝酒でも、ということでウイスキーをつくることにした。 



カラン、カラン。

氷どうしのぶつかりあう音が、耳になんとも心地いい。

そこにウイスキーをいれ、ソーダを注ぐ。

ソーダのはじける音が、美味しそう感をかき立てる。


つくりたてのウイスキーを、机の上におもむろにおく。


ソーダで割っているとはいえども、気分はすっかり裕次郎だ。


まずは一口、クイッと飲む。なんともうまい。

一日の疲れを吹っ飛ばしてくれるようだ。


さて、飲みはじめて思う。

このまま、寝たら幸せだ。

よし、そのまえにシャワーを浴びとこう。


今になって思えば、この決断がまずかった。

だが、このときはそんなこと考えもせず、鼻歌まじりで体を洗う。


シャワーを終え、そしてまた机に戻る。

ここでガウンでも着てようものなら、完全に裕次郎。

だが、むろん、そんなものは家においてはいない。


タンクトップに短パン姿で、どかりと椅子に腰掛け、ウイスキーをのむ。

Kindle Store で買いたての本を読む。

海外の、しかもロッブリーという田舎に住む身としては、電子書籍はなんともありがたい。


そんなことを噛みしめていたら、いい感じの眠気が襲ってきた。


「よし、じゃあそろそろ寝るか」

こうして一日の締めくくりをウイスキーを飲みきって終えようとしたとき、である。

下唇にむにゅっとした感覚。

うん???お茶っ葉???


コップを見て、驚愕した。

なんと、ヤモリのしっぽをくわえているではないか。

ペッと吐き出しながら「わあ!」と叫び、反射的にコップを机のいちばん遠いところにおいた。





しばらく、状況が飲み込めない。

深夜に一人で、ヤモリのしっぽをくわえる男。


ゆっくりと、コップを覗き込む。

彼は死んでいる。

彼はきっと、僕がシャワーを浴びているときに、誤ってコップの中に落ちてしまったのだろう。

かわいそうなことだ。




でも僕は、こんなヤモリを一瞬といえども口に含んでしまった。(しっぽ)

そして、おそらく最初の一杯以外は、ずっとヤモリのエキスとともにウイスキーを飲んでいた。

ヤモリ同様、僕もまたかわいそうである。


深夜、1時。

「しっぽの食感(?)が忘れられず、気持ち悪い」というのももちろんあるが、それ以上に、「毒的なこと、バクテリア的なことで体がおかしくならないか」とモーレツに心配になる。

とはいえ、誰かに聞こうにも、電話する時間でもない。

また、こんなときに限って、インターネットの調子も悪い。


仕方ないので、まずはウイスキーの残りを死んでいるヤモリごと外に捨て(外は木々である)、眠ることに。

朝、ちゃんと目覚めるように、結構真面目に祈っていた自分がいた。


で、おかげさまで、翌朝ちゃんと目が覚め、今もこうして元気でいる自分。

ヤモリ割りを飲んでも人間死ぬことがないということ、そしてヤモリはムニュっと柔らかいという、教訓を得た。



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2 件のコメント:

  1. ひぇーーそこそこ大きいのに気付かなかったんですかー?
    爬虫類絶対ムリーー。無事に目覚めて良かったですね。(笑)
    ところでまた洪水がひどいですね、Ryotaさんの住んでる辺りは大丈夫ですか?

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  2. それが残念なことに気づかなかったんですよね〜。笑最後の最後まで。
    本読みながらだったもんで…
    ま、ゴキブリとかじゃなくてまだ良かったかなぁと、今は思っています。

    洪水はアユタヤーの方ははじまっているようですね。
    ロッブリーでも土地が低いところは少し水がつかっているようですが、幸い僕の住んでいるあたりは問題ありません。ご心配いただき、ありがとうございます!

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