Bodyslam。タイで人気のグループだ。
そのBodyslamの”ความรักクワームラック(愛)”と”คิดฮอดキットホート(恋しい)”を歌うラオスの歌い手の映像である。
キットホートはこのブログにて歌詞を日本語訳したことがあるが、ラオの伝統音楽モーラムとのコラボ曲ということで、ラオスでもやはり人気が高かった。
それ以外も、演奏される曲はほぼタイのものであり、それにあわせてラオスの若者たちが歌い、踊る。
タイ音楽のラオスへの影響力に驚かされた。
よく、「音楽に国境はない」という言葉を聴く。
たしかに、ラオスへの浸透ぶりを見れば、納得いく言葉だ。
ただ、音楽は、越境するとはいっても、それはあくまでも一方通行的な性格のものである。
たとえば、ラオス人がタイや西洋の音楽を好意的に受け入れ、ラオスにそれらがますます浸透したとしても、その逆は圧倒的に少ないものだ。
それは、音楽自体の良し悪しの問題ではない。
音楽の背後にひかえる”文化”の問題である。文化の影響力の問題である。
その国の文化の影響力が強ければ、文化の一部としての音楽も受容されるわけだ。
その意味で言えば、タイはラオスにとって大きな影響力を持つ文化を担っている。タイの発信する文化はラオス側に好意的に受け入れられている。
タイとラオスの関係史は、決して明るいものとは言い難い。ラオスにとっては、”下に扱われてきた”歴史であろう。
それでも、タイの音楽を好意的に受け入れ、皆で歌い踊る。
あらためて、民族的、歴史的なへだたりやわだかまりを少しずつ溶かしていく文化のパワーを感じる。
国という枠組みに視点を置いた場合、経済的、あるいは武力的な優位性だけで議論することは今後難しい。いかに国の魅力を自ら発見し、表現・発信するか。それが問われていくだろう。
なぁんてことを、名も知れぬラオス歌手によるBodyslamを聞きながら感じたのだった。
ってまぁ、2ヶ月ほど前のことだけど...
ちなみに、映像はラオス・ビエンチャンにある”タワンデーン”という店。タワンデーンはバンコクにおいてはドイツ・ビアホールの店として有名だが、どうやらビエンチャンのそれは無関係のようだった。
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