胆喰いの霊を捕まえる儀礼。
前回の続きである。
地面に向かって、何度も何度も人形を叩きつけ、トランス状態に陥る若者。
あまりに叩きつけるため、人形は大破。棒だけの状態になる。(0:26)
しかし、それでも若者は棒だけを持って、村内を縦横無尽に走り回る。
寺・木の上・屋根の上・・・場所は、所かまわない。
そして、棒が霊の所在を伝えると、今度は皆でそこに向かって特別な卵を投げつける。(1:36)
何個も、何個もだ。
で、投げ終わった後、皆でその地点に向かい、割れていない卵を回収する。
なぜならば、割れなかった卵の中には、封じ込めた霊がいるから、と考えるからだ。
そのため、割れなかった卵は、霊が外に出ないよう、厳重に壷の中に入れられる。(1:55)
こうして走り回ること、4時間以上。初日の儀礼は幕を閉じた。
2日目。
その日も、人形を持った男の先導で、村人は走る。まさに、ダッシュだ。
そんな中、大きな霊が姿を現した。
場所は村の祠(サーン・プーター)。村人にとって最も重要な信仰の場の一つである。
発狂する棒を持った男。(4:25)
祠を棒でガンガン叩く。
そこである事実が発覚した。
この祠には、巨大な霊とともに、黒呪術の呪文が書かれた紙が存在したのだ。(5:16)
黒呪術とは、ある人間に不幸や災いをもたらすために行われるものである。日本ではわら人形に釘を打ち込む、といった行為が知られている。
そんな恐ろしき黒呪術の呪文が書かれた紙が置かれていたのである。
というわけで、どうやら、この呪文に対して、男の持った棒が強く反応したらしい。
こうして、巨大な霊との格闘があった儀礼2日目は、2匹のピーポープを捕獲することで幕が閉じられた。
※※※
さて、さて。
ここで特徴的なことは、棒を持った人間が、神がかりの状態になってトランスを起こすことである。
彼らは、「棒が勝手に動き出した」「何か別の魂が体の中に入り込んだ感じになった」「誰かに強く引っ張られている感じだった」などという。
男連中が繰り広げる、トランスと狂気。
そして語られる、霊の憑依。
彼らの言葉を信じる、信じないは別として、実際に彼らの異常な精神状態と行動が、村人たちの目の前で繰り広げられることは、村人の霊へのリアリティを少なからず高めることにつながる。
そして、それは、村の平穏を願う人々のパワーを最大限に引き出すために重要な意味を持つことになるだろう。
つまり、男たちの行為が狂気じみていればいるほど、異常であればあるほど、村人の不安感と平穏への願望は強まり、そのため儀礼終了後の日常における秩序の安定に結実していくのだ。
というわけで、儀礼3日目以降に関しては、つづきで。
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匿名です。成田空港でバンコク行き飛行機待っています。週末のコンサート行けそうにありません。すぐ香港に移動です。来月のbodyslamも絶望的。悲しいです。とりあえずバンコク着いたらソムタムとハイネケンで再考でしょうか。
返信削除匿名Iさん。
返信削除本当にお忙しいですね。バンコクから香港ですか・・・
大変ですねぇ。
しかもBodyslam、絶望的とは。悲しい限りですね。
お互い、DVDで我慢という感じでしょうか。