ビジネスクラス



「オーバーブッキングのため、ビジネスクラスにアップグレードいたしますね」

航空会社の、タイ美人に言われた。

これほどの美人が、無料でビジネスクラスにまで格上げしてくれる。

数ある乗客の中で、唯一僕だけを選んで、だ。(唯一かどうかは不明)


まさに天使。

これは、もしかしたらどこか僕に気持ちがあって…

そして、もしかしたら、スッと、電話番号とかをパスポートに挟んでいたりして…

と、芸人どぶろっくのハーモニーを思う。


ま、無論そんなものはなかった。

やはり「もしかして」はない。


さて、ビジネスクラスに乗ったことのない僕は、優先ゲートを知る由もなく、普通にエコノミーとして並ぶ。


唯一、僕ができたことといえば、搭乗の時に

「まずはファーストクラス、ビジネスクラスのお客様…」

と放送が流れた時に、スッと立ち上がり、ビジネスクラスなのに短パンで乗り込む、逆に粋な男、をアピールする程度である。(実際は誰もみてない)


席についてみると、それは広くて、前の座席に足が届かなかった。



背もたれをたおすと(ボタン一つで!)、カプセルのように包まれるので、隣のお客さんとも隔離される。

これは素晴らしい。



となりの人がまだ来ていない間に、はしゃいで写真に収める。



「何かお飲物お持ちいたしますか?」

乗り慣れないクラスの席で、イヤホンの穴を必死に探している時、言われた。


「あ、じゃあ、赤ワインください」

「かしこまりました。本日ですと、○○○と△△△をご用意しております」

ろくに銘柄もわからないし、CAの言葉を覚えることもできなかったので、

「うーん。では、前者で」

うーんというところで、かろうじてワイン通を演出したつもりだったが、ワインを「前者で」と頼んだ時点で、僕の本質はCAに見破られたであろう。

そんな僕でも、ワインが空になれば、すぐにCAがソムリエばりの注ぎ方でいれてくれた。

朝方の飯もうまかった。



ということで、全体的にはしゃぎすぎた。

それで、リズムをくずしたのだろうか。

日本に帰国早々、体調を崩した。

なかなかの高熱をだした。


あれから、今、2週間たつ。

季節の変わり目ということもあり、どうも風邪が抜けきらず、今は持病の喘息を発症させている。

ビジネスクラスは最高だったが、体調を崩しては元も子もないような気がする。


でも、やっぱり、またビジネス乗りたい〜。

あの美人のお姉さんなら、またきっとビジネスにアップしてくれるはずだ。

なぜなら、あのお姉さん、もしかしてだけど、僕に気が…


とまあ、こんな馬鹿なことを書いてますが僕、実は、昨日37歳になったんです。

なんだかな。


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2 件のコメント:

  1. ビジネスクラスに乗り慣れてないのバレバレじゃないですかー(笑)。
    それにしても座席、サービス、食事、やはりエコノミーとは全然違いますね、羨ましい。
    当日"僕に気がある"と思った人、何人くらい居たんだろう(笑)?
    また天使が微笑んでくれるといいですね♪

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  2. 確かに慣れてないの、バレバレですね。
    しかし、本当に食事やサービス、よかったです。
    ま、またいつか乗ります。
    ちなみに今日、タイに戻りました。
    天使は…今回は微笑みませんでした。

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