「あれは、竹でできた仏塔です。
まだ新しいのですが、実は、お寺の計画ではあれを黒にしようかと考えたんです。
自然との調和や、仏塔そのものの持つ意味を考えて。
でも、村人に反対されて、結局、どこにでも見られる金色になったんです。
やはり、仏塔は金というイメージは根深いんですね」
そう語ったのは、チェンラーイ県のとある寺で出家中の西洋人僧侶である。
現在、欧米の大学の博士課程に在籍しているという彼は、タイの仏塔を調査しに留学にきていて、僧侶になったらしい。
とはいえ、まだ僧侶になって数日とのことだったが…。
さて、チェンライに連れて行ってくれたタイのゲーテ先生によると、竹でできた仏塔はタイ内でここにしかないとのことである。
仏塔は、タイ語でチェディー。
それは、墓地としての塔である。
起源としては、インドの古代神話である。
神話によると、地下には、死者が眠る冥界がひろがる。
万物を生みだす女神も、死後、冥界に横たわっている。
地上としてのこの世で生きる全てのものが、この女神の体から生まれる。
植物も動物も、人間もだ。
こうした、この世ー冥界の考え方を基礎として、仏塔は墓としてあつかわれる。
冥界に潜みうごめく圧倒的な力が、まるで自己の存在を示すかのようにわいて盛り上がる死者の塔としての仏塔。
それは、形を変えてこの世にニョキッと出現した冥界のシンボルなのだ。
本来的にそうした意味をもつ仏塔が、なぜ竹で作られたのか。詳しい理由はここではよくわからない。
しかし、寺の人が試みた「黒き仏塔」というのは、死者の冥界を表象する点からすると、あながち間違っていないんじゃなかろうか。
ただ、まあ、こうして白黒にして見ると、妙に怖いのは確かである。
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黒い仏塔・・もしタイで見たらやはり異様な感じに見えるでしょうね。金ぴかなイメージしかないですもん。
返信削除どっかの遺跡で黒くなっているものは風化によるもの?焼け残り?のものですかねー?いずれにしても竹とは珍しい。
少し話はそれますが、以前行ったスコータイ、レンタル自転車で回ったのですがほんの一部しか行ってないということに
気付きました(笑)。また機会があればゆっくり行ってみたいと思います。
スコータイですか。いいですね!僕も好きです。久しく行ってませんけど。
返信削除スコータイの仏像は穏やかな顔で、なんだか落ち着くんですよね。