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ワットプーまでの悪路。半笑い西洋観光客。

パクセーの街を出て約30分。 これまで通ってきたアスファルト道路が工事中らしく、巨大な大木でふさがれていた。 そこで、仕方なく横道にそれるが、これがなんとも、でこぼこ道。 がったん、がったん揺れながら運転していく。 砂埃もひどい。 僕の目は細めだが、それでも容赦なく砂が入ってくる。 サングラスを持ってこなかったことを後悔しつつ、がったん、がったんと進んでいく。 そんな僕の様子を、ワゴン車に乗った西洋の観光客達が見て、一様に半笑いだった。 「オー。 東洋人は根性があるね~」 「オー。 まさに、サムライ」 そんな声が聞こえてきそうな、半笑いさ加減だったが、こっちは運転に集中していて、彼らに笑顔やサムライパフォーマンスを送る余裕など無かった。 ワゴン車は、砂埃に苦しむ僕を尻目に、颯爽と駆け抜けていった。 ...

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平地ラオ・裸オヤジの、山の民観。

ワットプー付近まで、あいかわらずのどかな道が続く。 何もないなぁと思っていると、小さな家がポツリ、ポツリ。 集落だ。 学校もある。 何か飲み物でもと思い、日光をよけてボーとしている男達のいる商店に入った。 店のオヤジは裸だ。 「ワット・プーに行きたいのだけど、この道であってます?」 「ああ。この道をまっすぐさ。近いもんだ」 近いのか、と安堵したが、しかし、ここで親父が半笑いになった瞬間を、僕は見逃しはしなかった。 どうも怪しい。 地図で見ても50キロはある道のり。近いだろうか。まぁ、いいか。 さて、今回のラオスの目的はラオトゥン(中腹ラオ)をもっと知ろう!ということ。 そこで裸のオヤジに、ラオトゥンのことを聞いてみた。 「ラオトゥン?ああ、山の連中か。ここいらにはいないよ。 ...

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パクセーからワットプーへ② 穏やかな要素。

パクセーの市街地から、タイとラオスをつなぐ国道10号をタイ方面に向かっていくと、大きな橋を渡ることになる。 メコン川にかかるこの橋には、日本とラオスの国旗が刻印された碑があったので、日本のODAによるものらしい。 立派な橋だ。 橋を越えて、しばらく10号を直進する。 宿でもらった大雑把な地図によると、ワット・プーへ行くには、通りを左折して南下しなければならない。 まぁ、道路以外は、ほぼ、田んぼや野原なので、見つけるのは容易いものだ。 5分ほどで、三叉路にぶつかり、「ようこそワットプーへ」的な看板が目に入った。 ひと安心。南下した。 そこからは、ワットプー付近まで一直線。 ワットプーの細かい位置は分からないが、まぁ、周辺に行けばなんとかなるだろう。 バイクを走らせる。 山々が連なっていって、イサーンとはイメー ...

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ラオスの世界遺産 ワット・プー① ~お手製ロートでガソリン満タン~

映画『サバイディー・ルアンパバーン2』の中で、主人公と共にくっつきまわっている、生意気だが、どこか憎めない少年。 そんな少年が、落ち着かない表情で 「怖いよ、ここは絶対にピー(精霊)がいる。早く行こう」 なんて言って、仏像を拝むのもそこそこに、外に出て行ったシーンが思い出される。 確かにここは、霊験あらたかなムードが漂っている。 ワット・プー。 クメール様式のヒンドゥー寺院で、世界遺産に登録されている。 その姿は、ラオスの先住民モン・クメール系民族ラオトゥン(山腹ラオ)の人々の、かつての繁栄を象徴するかのようだ。 現在、ラオトゥンは、後からやって来たラオルム(低地ラオ)の人々に追いやられ、山地に暮らしているが、かつて彼らは平地に暮らし、生活を営んでいた。 ワットプーが彼らの精神的な部分を担っていたのだろう。 今 ...