東野圭吾『手紙』文春文庫・2006年
強盗殺人を犯した兄を持つ弟の、悲しい人生の話だった。
弟の人生の様々な場面で、殺人犯を犯した兄の存在が立ち現れて、邪魔をする。
何をやってもうまくいかない。
殺人犯を身内にもつ現実を、真正面からリアルに描いたこの作品のラストは、泣けた。
真保裕一『繋がれた明日』なんかもそうだが、殺人犯に関わる内容は、やはり、重い。
『繋がれた明日』は、殺人犯を犯したものが出所後、社会の中でどのように生きていくかという物語。そして、『手紙』は殺人犯を犯してしまった者をもつ家族の話しだが、どちらもやはり、重い。
でも、両者の本は、重くて、生々しいテーマに対して、真面目に真摯に、真正面から迫っている。
だから、深い感動を与えるのだろうなぁ。
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