神秘的な村の祠。イサーンおばちゃんのタイミング。



2 コメント
「そこに行くのはやめておいたほうがいいぞ」



そんな表情で水牛が僕に歩み寄ってきた。



だが僕はそんな水牛の忠告を無視し、大きな好奇心を胸に抱いて村の守護霊が祀られる神聖な祠へと足を踏み入れた。

これまでイサーンやラオスで幾度となく村の祠を目にしてきたが、ここはなんとも神秘的な雰囲気に包まれていた。






ー村の守護霊が祀られる祠ー

イサーンの集落には必ず祠が建てられている。

祠で先祖や精霊を祀ることで、外部世界に潜む悪い霊から集落を守ってもらうためだ。


祠は村人の生活に深くかかわり、たとえば村長を決めるときや、村を離れて旅に出るとき、今年一年の降雨量と豊作を占うとき(儀礼の模様はコチラ)など、様々な場面で祠に伺いを立てる必要がある。

また、よそ者が村に入るときも祠に一言、お邪魔することを伝える必要があるともいう。



そこで、よそ者の僕も祠へ出向くことにしたわけだ。

ただ、この祠はあまりに森の奥過ぎて不気味だ。

僕に無理やり案内を頼まれたおばちゃんも、どこか神妙な面持ちでワーイ(タイ風の挨拶。手を合わせる)をしている。



なぜおばちゃんが背番号10を背負っているか、といったことは後で写真を見返して気づくことであって、このときばかりは雰囲気に呑まれて気にならなかった。

それほどまでに、妙な空気だったのである。

というかまぁ、実際のところ、あまりに森が深過ぎて蛇やらサソリやらが出てきそうというのが一番の恐怖心だったことは否めない。



まぁ、それはさておき、僕は祠にペコリとワーイをし、神聖な場所に足を踏み入れること、しかもそれを写真に収めさせてもらうこと、しかもしかもブログにまでアップさせてもらうであろうことの許しを乞うた。



タイ語で許しを乞うべきか、それとも日本語でもいいのか悩みはじめる。

日本語で語りかけるとすると、守護霊側からは「こいつ何言っちゃってんの?」ってなことになるのではないか?

やはりタイ語が無難であろう。発音のことは目をつむってもらう。


ん? というかここはイサーン。ラオ語のほうがいいのか?

となるとかなり厳しい。


いや、待てよ。あるいはここら辺はクメール系の人も多く混在しているからクメール語のほうがいいのか?

となるともうお手上げだ・・・・


神聖な守護霊を前に余計なことばかり考えてしまう自分が情けない。



さて、一通りのお詫びを守護霊に告げると(タイ語で!)、村祠の内部を見わたす。


虎にライオン。



奥には石仏が並べられている。



そういえば、イサーンで一般的な”肝喰いの霊(ピーポープ)”に関する映像を見ていたら、こんな感じで並べられる石仏の下に黒魔術の呪文が書かれた紙が隠されていたのを思い出した。

ここにもまさか・・・と思い、ちょっと見渡してみたが見当たらない。

石仏を動かしてみるほどの大胆さ、ワイルドさ、いやというかガサツさは持ち合わせていない。

あくまでも、神聖な場だ。

というよりも石仏を動かして、わけのわからない、妙に足の長い虫とかがでたら怖すぎる。




「リョウタ。早く行こう。もういいでしょ」

おばちゃんに急かされてしまった。どうやら怖いらしい。

僕は夢中になると他人が待っていることを忘れてしまいがちなので、(グーンと引っ張られてしまった香取慎吾氏風トゥクトゥクの運転手の件しかり!)ここはそそくさと引き下がることにする。



多少ひかれる後ろ髪。

だが、祠を後にし、ちょっと進むと妙に馬鹿でかい羽音が近づいてきた。

「ハチだよ、リョウタ。気をつけな。これに刺されると相当痛いし、しばらく腫れがひかないよ」

おばちゃんは、なぜか笑顔だ。

さっきまで祠を前にして引きつっていたくせに。



僕は霊がどうこうより、ハチや虫の類のほうがよっぽど怖いことは、これまでの話の流れでおわかり頂けるであろう。

無我夢中で森を抜け出し入り口付近にいた、祠の番人水牛のほうへ向かった。



森を出て、どうやら難を逃れたようなので、ゆっくりと息を整える。

おばちゃんが半笑いで僕を見ている。「虫ごときで・・・」と見下しているようだ。

自分だってさっき、祠の場面でおどおどしていたくせにぃ。


しかし、ふと思う。

もしあのまま、祠を必死に見続けていたら、神聖な場に長々と居座った僕への罰として、ハチの洗礼を受けていたかもしれない・・・

守護霊の怒りをかう前に退散したイサーンおばちゃんのタイミングの計り方は絶妙に過ぎたといえよう。





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2 コメント:

Phimai at: 2011年9月8日 20:59 さんのコメント...

初コメントへのお返事ありがとうございました。
今日のブログも興味深いですね(奥の石仏気になる~)。
日本にもこのようにひっそりと佇む祠はたくさん
ありますけど、タイの人たちのようにあまり大事に
されていない気がしますし、毎日通っていても全く
気づいてない人もたくさんいると思います。
その土地を守ってくれている神様なのだからもっと
大事にした方がいいですよね。
それにしてもRyotaさん、虫とか苦手でしかも調査
などで度々森の中とかに入られるのに、よくタイに
住んでいられるなーって、過去ブログを読んでいる
間にも何度か笑ってしまう時がありました。
Ryotaさんが夢中になっている時は案外虫さんたちも
遠慮して刺したりしないかも・・て、有り得ないか(笑)

Ryota Wakasone(若曽根了太) at: 2011年9月17日 21:49 さんのコメント...

コメント、ありがとうございます!

そうですね。こんな僕のために、虫たちは意図的に避けてくれるようなやさしさを持ち合わせてくれればいいんですけどね。笑

でも、実際は虫が多くて困りますねぇ。

ただ、イサーンに居るときは、半屋外みたいな家に滞在することが多く、そこではカナブン的なものやら、なんやらが体に飛んできたりするんですけど、なぜかイサーンならそんなに大騒ぎして逃げたりしないんですよ。雰囲気ですかね。

バンコクや東京ならパニック気味必至ですが。笑

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