イサーンの朝食、並んだ昆虫。


「リョウタ〜。買い物するけど何か食べたいものあるかーい?」

朝、7時前。

顔を洗っていると、村人から声をかけられた。



イサーンの朝は妙に早く、そして騒がしい。

日の出少し前に鶏がコケー・コッコッコ・コケーとざわつき始め、盛大なコッケコッコー!の鳴き声とともに日が昇る。

明るくなり始めると村人もワサワサと行動し始める。

それにつられて犬やら猫やらも歩く。


村によっては、大音量で村内放送みたいのが流れ始める。

道行く往来者もどんどん増え、皆が「おう!」てな感じで一日の始まりを迎える。


おもちゃ箱のようにガチャガチャと動き始める村。

休日だから10時まで寝る…なんてことは、よほどの睡眠の深さと図太さがなければできないだろう。




さて、買い物のことである。

こんな朝から買い物?なんて思いながら村人の声する玄関へと向う。

なるほど、バイク商店だ。




「何か食べたいものがあったら買いな」






おかずに野菜、お菓子、果物…ありとあらゆるものがバイクに積み込まれている。

前日の夜に飲み過ぎてあまり食欲が無かった僕は、好物の茹でたピーナッツだけを購入。

これは一度食べようものなら、それが全てなくなるまで殻を剥き続ける運命に陥ること必至の、魔の食べ物だ。

あまりに美味くて、タイでは毎日のように食すのである。




さて、みなで朝食の準備。



焼き鳥に焼き魚、イサーンのスープ、そして僕の大好きな茹でたピーナッツ。あとは昆虫揚げか。

うん?

普通に朝から昆虫揚げか〜。

まぁ、昆虫は夜だったらOKというわけではないが、それでも朝から普通に並ばれると、なかなかパンチの効いたビジュアルになる。



村人たちは昆虫の足をもいで、カオニアオ(餅米)と一緒に食している。

笑顔だ。




「足をもぐのはなぜ?」

「そりゃあ、喉にささるのが怖いからだ。痛そうだろ」

どうやら足は固いようで、変にナイーブな一面を見せている。



イサーンの村にいると「へんなところナイーブだね」って思うことがある。

日中暑〜い中で半日放置されていたおかずを平気で食うのに、冷蔵庫の中の食品の賞味期限を調べていたりする。

食前に洗ってない感丸出しの手で、手つかみで食事をするのに、野菜は妙に奇麗に洗ったりする。


まぁ、これは長年培ってきた生活からの経験知に基づくものだろうし、そしてもちろん各家によって違うだろう。

でも、「そこはいいだろ」って言いたくなるようなシーンをみることが時々あるのだ。




ま、それはさておき、屋外で朝食を食いながら道行く人と挨拶かわして、道行く人の中には朝食に混ざってきたりして…

そんな人と人とのつながりが当たり前で自然な光景を見ていると、なんだか妙に落ち着くものである。



やはりイサーンは、朝と夕方がいい。







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2 件のコメント:

  1. 虫の見た目はすごいですね。よくカオサンロードでも売ってます。写真撮影するとお金取られるんですよね。(^_^;)

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  2. そうですね。カオサンなどの道ばたの屋台でも売られてますよね。バンコクは地方出身者が多いので需要も有りそうですし。
    それにしても、写真撮るとお金取られてしまうとは…w やはり西洋人や日本人などからすれば昆虫揚げは珍しいので、多くの人が写真におさめようとするのでしょうね。

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