イサーンの村。1人闘牛をやりかける日本人。


イサーンの村をフラフラと歩くのが好きだ。



街歩きも好きだが、村もまた違った魅力があるのである。



ただし、危険も多い。

蛇やらサソリやら、昔ならトラやらってね。



先日、細い道を歩いていると、真っ向に立ちはだかって行く手を塞ぐ水牛に出くわした。



水牛は基本的におとなしいので問題はないハズ。



しかし、あの立派な角。

あれで襲われれば、僕の内蔵がえぐられるにあまりある。



それに道が狭い。

こっちとしてはソッと横を通っているつもりでも、向こうにとっては多いに刺激的で、逆上する可能性がある。



イサーンのだだっ広い田んぼの真ん中で、日本人が1人、逆上し突進してきた牛の角を押さえつけている姿は、あまりに意味が分からないだろう。

危険を通り越してそれは滑稽な姿だ。



ということで、僕の希望としては水牛が僕の心を察し、道から田んぼへ下りてくれること、それにつきた。

お互い、無益な血は流したくない。



ゆっくりとにじりよって、両者の差を縮めていく。





あくまでも「水牛よ。お前に興味が有るんじゃない。俺は道を通るだけだ」という雰囲気を演出する。

だが、近寄る日本人に、異常な警戒心をもって水牛は逃げて行く。





いつまでたっても縮まることの無い差。

ゆっくりと進む水牛にあとから続く僕の姿は、ある意味”水牛使い”である。



「落ち着け、水牛。通るだけだから」

タイ語でそうつぶやいてみる。

本来であれば、イサーン語じゃなくてはだめかもしれないが、そんなことは言ってられなかった。



すると、その言葉の甲斐あってか、水牛が田んぼの方に頭をもたげ、下りようとした。

「よし、チャンス」と一気に水牛を抜去ろうとした。



勝機を逃してはいけないのだ。



だが、結果として、これがまずかったようである。

水牛が突然、クルリと向きを変えたのだ。



こうなると、僕の頭に浮かぶのは闘牛士。

目の前の水牛は僕のほうに鼻息あらく突進してくるに違いない。

彼の後ろ脚はすでに地面を蹴っているのだ。(イメージ)




だが、あいにく僕はスパニッシュな闘争心を持ち合わせていない。

ダッシュで後ずさりする。



ハーハー言っちゃってる自分がなんとも情けない。



水牛から一定度の距離を置くと、結局別ルートで行く決心をした。


まったくもっての完敗。




「よっしゃ、今日はこのくらいにしといたるわ」

新喜劇・池野めだか氏の常套句の素晴らしさを知った。





村は危険も多いのである。


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4 件のコメント:

  1. あはは、水牛さんの迫力にすっかり完敗しちゃいましたね。
    ハーハー言ってる人間に『コイツ何やってんだ?』と
    思ったでしょうね。まぁでもこの角は確かに恐い。
    ご無事で何より(笑)。

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    1. 確かに、なんだこいつ?って思われていたかも・・・残念だなぁ。
      今回はとりあえずこれくらいにしておいたけど(?)、いつか彼の背中に乗るくらいの感じになってみせますよ。笑
      イサーンでは平気で乗ってる子もいたりしますけどね。圧巻です。

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  2. いつもバンコクばかりなので、当ブログに刺激され、五月のバンコク・ウドンの航空券予約。ラオス・ビエンチャン、ノンカーイ、ウドン辺りをぶらぶら予定です。牛かぁ? 以前乗ってたバスと水牛が正面衝突したことがあります。水牛も死にましたが、バスも大破。乗り換え、たいへんでした。たしか、ウドンからロムサックに行くバスだったかな。

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    1. いいですね~。ラオス・イサーン方面ぶらつき。水牛と闘牛になったりしないよう気をつけて下さいね。笑

      というか、バスとの正面衝突とは・・・すごいご経験ですね。水牛はもちろん大災難でしょうが、バスも大変ですね。乗客の方たち、お怪我とかなかったんですか?

      イサーン方面では車事故が多くて怖いですよね。先日も大破している車をみかけたところです。みな、スピード出すからなぁ~。

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