恐怖のゲイ痴漢



ロッブリー駅、朝8時発、バンコク行きの電車でのことである。

心地よい風を受けながら、バンコクに向かい、車窓を眺めていた。

向かい合わせの4人席の椅子は、僕以外だれも座っていなかった。


とある駅につく。

乗ってくる客は少ない、小さな駅だった。

1人のおっさんが、僕の目の前に荷物を置き、そして自身は斜め前に座った。


なぜかおっさんは、足を少し伸ばして、僕の足に当てている。

失礼な奴だ、そう思って僕は少し態勢を変えた。


すると、おっさんは一応、足をひっこめたが、今度は心なしか僕のハーフパンツでむき出しになった膝に手があたるようにしている。

気色悪いな。

そう思い、また態勢を変えた。


おっさんは手を引っ込め、今度はおもむろに立ち上がり、なぜか何枚も着ていた服を脱ぐ。

そして、僕の目の前に置かれたおっさんの荷物の上に丁寧に巻きつけるようにし、そのまま違う車両にいった。


どういうことだか、意味がわからない。

まさかこの荷物は爆弾的な…、とも思ったが、その割には小さいし、みすぼらしい。

なにより、臭い。


そうこうしてたら、おっさんの代わりにおばちゃん2人が僕の横と、さっきおっさんがいた斜め前の席に座った。

この悪臭ただよう荷物が僕のだと思われたら恥ずかしいなあ、なんて思いながら座っていた。


30分ほどたって、どうも視線を感じると思ったら、さっきのおっさんが隣の4人席に座ってこっちを見ている。

何見てるんだよ、と腹立たしかった。


隣のおばちゃんが、目的の駅についたようで、立ち上がった。

すると即座にそのおっさんが僕の横に着座。

ぴったりと体をつけてくる。

態勢をかえても、それでも必死につけてくる。


これはまさか、ハードゲイ的な痴漢か?

そう思い、体に触れられないように、前傾姿勢をとった。


すると、今度は膝に手をあてがってくる。

断っておくが、無論、僕はそっちの気はゼロである。


「おい、なんだよ。さわんなよ」

僕はそう言い放った。

サングラスをかけてたし、学生からは強面で通ってるので、これで効くはずだ。

しかし、おっさんはそれに対しニターと、なんとも気色の悪い笑みを浮かべた。


…おい、おい。怖すぎる。

これは、何を言っても、埒があかないだろう。

速攻で荷物をもって立ち上がり、ちょうど到着した駅で下車した。

僕を追うおっさんのねちっこい視線が恐怖だった。


生まれてはじめて痴漢というものにあった。

しかもハードゲイ的なおっさんからの。

気持ち悪く、そして恐怖である。

タイの電車での、なんとも悲惨な経験だ。


この話を学生にしたら、「怖い〜」といいつつも、みな笑っていた。

いや、本当に怖かったのに。






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3 件のコメント:

  1. これは気色悪いし怖い~。Ryotaさん完全に狙われてましたね。
    タイ人のゲイやレディーボーイといえば皆明るいようなイメージ勝手にもってるけど
    そうじゃない人もいるんですねー。
    今後電車やバスでオッサンと相席になったらちょっと警戒してしまいますね。

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  2. いや本当ですよ。もう二度と経験したくないです。
    おっさん、怖いです。
    ビクビクしちゃいますよ。笑

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  3. このコメントは投稿者によって削除されました。

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