小さな幸せ。職人の串焼き。

人々が仕事を終え、帰路につき始める頃、この串焼き屋台は現れる。


ビュンビュン走る車をバックに、手際よく焼いていく姿はもはや職人芸。

単純に排気ガスや煙を気にしてのことなのだろうが、付けられたマスクがまた職人らしさを助長させているかのようだ。


「どういう経緯でこの仕事をやっているの?何年ぐらいやっているの?」

そう聞こうかと思ったが、あまりに職人的雰囲気に過ぎて怖気づく。

「職人は多くを語らないもんだ」と勝手に決め込み、自分を納得させた。



黙って、串を見つめる。



暗い夜道で職人気質的にいちゃんが1人、黙々と焼き、煙が立ち込めているのを見ると、なんだかホッとする。

今日も変わらず煙が上がっているねぇ、て。



小さいことだけど、なんとなく幸せを感じさせてくれる。


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