ルーイ県。 イサーンなのに北部っぽさ満点の県。 山々に囲まれたその自然景観が、タイ北部っぽさをかもし出しているのだろう。 先日、ルーイ県のとある町からフラリと車で向かってみたタイーラオスの国境ターリー郡までの道のりは、それはもう山々の連続だった。 途中こんな具合に、直線に過ぎる坂道もある。 ブレーキの故障が発生しないことを切に願う。 写真を撮る僕の横を、地元のおっちゃんが通った。 どうみても綺麗とは言いがたい。 でも、農作業のために、毎日毎日この坂道を歩んでいるのだろう。 いや、もしかしたらチウおじいさんばりに、奥さんとの約束を果たすべく丘へと向かっているのかもしれない。 もちろん勝手な想像だが、そんな風に考えると不思議な何かを背中に見る思いである。 それはさておき、目的のタ ...
イサーンの村の小さな先生。
「リョウタ兄ちゃん、水牛見に行こう!」 久しぶりの村の訪問で僕が大人たちと話をしていると、決まって歩み寄ってくる女の子はいつも、僕をこう誘う。 女の子は村の近況を案内してくれる、僕にとっての小さな先生である。 2人でぶらぶらと歩いていくと、さっそく水牛が僕らを出迎えた。 ニッとした表情が小憎たらしい。が、かわいい。 水牛を見て年甲斐もなくキャッキャッとはしゃぐ僕に、先生は「次行くよ」の一言。 水牛を見に行くと言ったわりには、ぜんぜん鑑賞しないもんである。 先生はぐんぐん歩いていく。 ちらほらいる水牛たちが、のどかなイサーンを演出してくれる。 おや、犬。 「おー俺に寄ってきたか、どうした、どうした」と熱烈に歓迎したらそっぽを向かれた。 分からないものであ ...
イサーンの小学校の牛乳。
「余ったから持ってきちゃった・・・」 という量じゃないだろ。 イサーンの小学生の女の子が、学校からどっさりと持ってきた牛乳。 今、日本の給食に出てくる牛乳はビンかパックか知らないけど、ここまで持ってくる奴はそういないはずだ。 これほどの量を抱えてきた女の子は、どこか誇らしげである。 「リョウタ兄ちゃんも一本どうぞ」 僕に勲章の一本を分けてくれた。 牛乳が苦手な僕は気持ちだけもらっておいた。 なかなか可愛らしいパッケージ。 ところでなぜイサーンも学校で牛乳を飲むのだ? タイでは給食は一般的ではない。基本、弁当かあるいは買い食いである。 でも牛乳はタダで配られるらしい。 「体にいいからだよ」 小学生の子は答えた。 ついでに同世代の連中にも聞いてみた。 「確かに牛乳だけは配られたな ...
「知人の葬儀があるから、リョウタも行くか?」 先日、タイ・イサーンの村のおっちゃんに誘われた。 話によると、もうご遺体は荼毘に付されたあとで、これから納骨の儀式が行われるという。 こりゃあ、見てみたい。 おっちゃんとバイクを併走し、寺に向かう。 イサーンの田舎道。バイクで走るのは、いつだって爽快だ。 寺に着くと、おっちゃんは「ほら、あそこ」と指差した。 見ると、人が横たわっている。 ドキリとする。 この地域ではこれくらいの半焼けの状態で火葬が終了なのか。 だが、おっちゃんによると、あれは荼毘に付したときに出た灰を人型にしたものであり、中に故人の骨が混ざっているのだと言う。 考えてみれば当然のことだが、それでもホッとする。 色々なおっちゃんたちが、動き出した。 どうやら、儀式の始まりのようだ ...