タイを舞台にした小説が映画化されるということで、その撮影に通訳として同行した。



映画は、ウドンターニーで生まれたとある有名な写真家の方の自伝が元になる。

ラオスで敗戦を迎え、そのままウドンターニーに移り住んだ家庭に生まれた写真家。

その方は、小学校低学年までウドンターニーで過ごし、そして、日本へ渡った。

子供の頃に話していたタイ語は、すっかり忘れてしまったという。

タイで過ごした幼きころの自分と、すっかりタイ語を忘れて「日本人」になった自分との間に横たわるズレへの葛藤が描かれた本が、映画化されるのである。



この映画を監督し、かつ撮影をしたは、僕が大学生だった頃に、バックパッカーに焦点をあてた作品で旋風を巻き起こした、これまた有名な写真家だ。

僕も多くのご著書を読んだし、影響を受けたものである。

その人のチームに同行とは、人生、わからないものだ。


ウドンターニーからナコンパノム、ラオスのターケーと、撮影は1週間続いた。

「明日は朝4時半です」

「日が沈む前に、あそこにどうしても行きたいので、急ぎましょう」

なんて感じで、とにかくプロの撮影スタイルは妥協を許さないものであった。




監督は、目の前の現実をどのようにカメラで切り取っていたのだろうか。

来年、映画公開予定ということなので、僕が何気なく見ていた景色と、監督によって切り取られた画が、どれほど違うのか、その時になればわかるだろう。

なんとも、楽しみだ。





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