祭り2日目。

この日は、ソムタム コンテストが行われた。

審査員は僕を含めた異国人講師である。






ちゃっかりピースしている僕の横で、西洋の先生はがっつりカメラ目線。

さすがである。


さて、コンテストでは、9つの学科からそれぞれ2人づつが、ソムタムを作ることで競われる。

審査の基準は大きくわけて2つ。

ソムタム料理とダンスだ。


ソムタムについては、味はもちろん、匂いや創意工夫性、盛りつけ方などが問われる。

ダンスは、ソムタムを作りながらの、エンターテイメントにとんだ踊りが要求される。


ソムタム&ダンスの各学部代表はこの通り。












妙にオカマが多いのが、タイらしい。



皆写真を撮られるときは、きちんとしていた。

しかし、いざコンテストがはじまると豹変。

踊りたくってる。



品のある踊りは少数で、ほとんどが面白さや卑猥さを強調している。


とはいえ、コンテストはソムタム。

みな、創意工夫をこらして、ソムタムを作る。





そして、さあ、料理。

ソムタムとイチゴやリンゴ等のフルーツを入れたもの、西洋っぽいサラダにアレンジしたものなど、いろいろあってなかなか美味だった。


で、今驚愕しているのだが、ソムタムの写真が一枚もない。

どうやら、食べることに夢中になってて、すっかり撮るのを忘れてしまったのだ。

”審査員としてのプライド” とでもしておきたい。


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 15日から始まった、ナーラーイ祭り。

街はすっかりお祭り気分で、無論、大学も変わらない。


大学では、19日から祭りが行われている。



初日はタイ文化を演出する踊りのコンテスト、および各時代にあわせた服装での男女ペアになっての衣装コンテストが行われた。


踊りは、各学部の本気度がモロに出ている。



特に、優勝したインターの学生の踊りや演出はかなりの迫力。

舞台を縦横無尽に飛ぶ龍は圧巻だった。




衣装コンテストもまた、美しい。



衣装のコンセプト、それぞれの服装の時代背景、演技など全てを総合して判定される。




で、優勝したのは、芸術学科。



ワイルドのなかに潜む美しさの芸術性が見受けられよう。



ところで、その日の夕方。

「リョウタ。今日の夜、ナーラーイ宮殿で日本の衣装をきてショーに出ないか?別になにかしゃべるとかじゃない。ただ、歩いて、写真をとられたりするだけだ」

そう、先生に誘っていただいた。

無論、即決である。


まずは、貸衣装への着替えと、化粧。



化粧は生まれて初めてである。

20分ほどぐっすりねむっている間に顔が出来上がり、簡易の着物にきがえる…



うーん。

信長風のヒゲが描かれているが、どうもコントっぽい。

妙にほほが赤いのも気になる。

舞台に立つときの顔とはこういうものか、と知る。


王宮では、風変わりな態の僕を、人びとがチラチラ見る。

笑われているような気がする。

気の弱い僕は、汗が噴き出す。

いわゆる化粧くずれが気になって仕方ない。

初めて女性の気持ちを知った。


さて、王宮でのショーは19:30と21:00の2回、行われた。

ショーは、ナーラーイ王の業績を今に伝えるためのもので、僕は王の時代にロッブリーにいた日本人の役。

まあ、役といっても、特に何かするわけではない。

市場で買い物したり、王宮に招待されてフランス人(役)や中国人(役)の人びとと祝杯をしてみり、王の行列通過に参加したり、といった具合である。



で、ショーが終わると写真を撮られまくる。


日本人からすればちょいと風変わりな態であっても、タイ人からすれば日本っぽさ満載なのだろう。


「お〜、日本」

って。


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「いいか、舞台ではな、原稿なんてもんは読んじゃあ、いけねえんだ」

寅さんばりの口調で、俺の背中を見とけ的に、一緒に来ていた生徒にそう言いはなった。





15日のナーラーイ王祭り開会にて、日本語解説をつとめたときのことである。

祭りのパレード前に、ロッブリーのこと、お祭りのこと、遺跡のことなど、タイ語・英語・中国語の先生と代わる代わる説明したのだ。

とはいっても、観客に日本人はいなかったと思われ、もらった原稿もそこそこに、僕はかなり自分でアレンジした解説を実施したのである。


とまあ、こう書くと、なかなか威勢がいい態のようだが、観光客はほとんどがタイ人。

みな、ポカーンとしていたことは言うまでもない。


それにしても、パレードがなかなか始まらない。

しまいには、人文・社会の学部長に

「リョウタ。なんでもいいから話しなさい」

と。


なんでもいいって…

ま、いいか。

専門が歴史学なので、適当に話はできなくもない。

アユタヤ時代について、日本の江戸時代とからめて小話を。

気分はすっかり、歴史語りの芸能民だ。



「もう、いいよ」

気持ちよくなっていると、先生に言われた。

どうやら、パレードが動き出したのだ。


開会の模様を映すべくテレビクルーが来ていたので、「もしかしたらインタビュー」…

そんな期待をいだいたミーハーな僕だったが、その気配はまったくなかった。

残念だ。


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2月15日。

ロッブリーでは、アユタヤ時代のナーラーイ大王が崩御したというこの日を偲んで、祭りが開催される。

その祭りがなかなかに大々的で、面白い。



祭りでは、ナーラーイ時代の装束を披露するパレードや、様々なショー。タイの生活等の紹介や展示が行われる。

そして、何より目をひくのがはなやかな民族衣装である。


街にはたくさんの民族衣装やが並び、みなが買い求める。

特に女性物は華やかで美しい。



ということで、祭りムードが高まっている。

今日夕方から、祭りが開催される。

華やかに彩られた行列が街を練り歩くのだが、その特設ステージにて、僕が日本語での解説を勤める。


今からでも遅くはない。





     
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とある著名な先生宅で行われた、大学責任者の方の誕生日を祝う食事会に招待された。


先生宅の門を抜けると、果てしなく続く道。



これが一軒の家の敷地内とは信じがたい。

敷地内には、美術品を並べるだけの建物、仕事をするためだけの建物、図書館など多くの建物があるらしい。それぞれすべてが独立した建物となっているのだ。




そして、先生の仕事用建物に到着すると、すでに始まっていた宴はまるでエッカーマンの描くゲーテの世界。



5人の先生方が、本に囲まれたムーディーな部屋でワインを傾け、研究のことを談笑していた。

2時間ほどして、今度は食事へと向う。

これもまた無論、別の建物である。



美味な料理をいただき、誕生日を祝い、そして時は既に深夜11時。

責任者をはじめとした先生方4人は帰宅された。


で、僕とニウェートさんは残った。

「もう少し、呑むか」

先生はそう言ってくださったのだ。

再度、先生の仕事用建物に戻る。

それにしても、なんともいえず、重厚感満載だ。




思い浮かぶのは、やはりエッカーマンとゲーテの世界である。

ここで、3人、研究の話をしばらくした。

「なるほど。お前達が今やっていることは分かった。じゃあ、たとえばそうだな、ニウェート、ちょっとそこの戸棚の下にある皿をとって…」





取り出された皿は実は、17世紀の日本の物だという。

博物館にあってもおかしくない。

それが、無造作に仕事部屋の棚に入れられている。

驚きだ。



それはそうと、我々には、この皿と研究計画とのつながりが見いだせない。


「どういうことですか?先生」

問う、ニウェート。

「ふふふ〜ん。そうだな。じゃあ、ニウェート。とりあえずマッサージをしてもらおうか」

そういって、先生は足を差し出した。


マッサージをするニウェートさん。

「で、どういうことです?」

「力が弱いな…まだ言えん。はっはっは」


そんな問答が続き、結局答えは聞けぬまま、午前1時。

我々は、先生宅をあとにすることにした。


なんとも貴重な時間を過ごしたものである。


ちなみに、最近ニウェートさんは骨董品街に通って、皿を買い集めている。

「いいか、リョウタ。歴史家は骨董を持ってなきゃダメだぞ」

そう言って、僕に一枚の皿をくれた。

どうやら、もろに影響を受けているようだ。


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