免許の更新のために、ロッブリーの陸運局へ。



必要書類は、パスポートとワークパミット、それらのコピー、古い免許、医者の診断書、手数料600バーツほどである。

医者の診断書がなかったので、かかりつけのクリニックに行ったりして(「リョウタ、また犬に噛まれたか?」と笑われた。くわしくはコチラで)時間がかかった。


しかし、免許更新の手続き自体は、10分もかからず、あっという間。

なぜかピンぼけした更新免許が、渡された。


いずれにせよ、これで5年間有効というのは、嬉しい話である。

5年後の誕生日。41歳…


突然スコールが降り出した。

しかたなく、雨がやむのをボーと待つ。

ん?



坊さんが、車のナンバープレートに向って拝んでいる。

よく見ると、ナンバープレートの競りについての説明であった。


「1111」「2222」などの4桁全揃いは、競り開始金額が5万バーツ。2000バーツ以上の入札が可能らしい。




タイで人気があるのは、無論9。

ということで、前回の競りの結果を見る。

驚愕した。




「9999」落札者○○○○…210万バーツ。

日本円にして600万円以上。

タイ人の縁起に対する金の使い方は半端ない。


これが普通なのか?と思い、タイ人に聞いてみる。

「ロッブリーで、唯一ポルシェを買った人がいるってこの前噂になってたから、その人かもな?名字はなんだった?え?○○?知らないな〜。でもまあ、金持ちは、金に糸目をつけないから」

糸目をつけないというか、なんというか。

ナンバープレートに600万かけるとは。


そして、ポルシェのニュースが噂になるということで、ロッブリーの社会の狭さも感じる。


社会は狭い…

うん? とすると、もしかしたら、またクリニックで笑われているのかもしれない。

「リョウタ、また来たんだよ。今回は犬じゃなかったけど。ハッハッハ」

金持ちの噂とは、ぜんぜん違う。

なんだか、がっかりだ。


ちなみに、9月30日のkhao sod に2500万バーツのナンバープレートの記事が出ていた。

いやはや。

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「いつでも、帰って来いよ」

僕の言葉に、2人は涙で真っ赤になった目でニコリと笑った。

精一杯の笑顔だったように思う。

僕は、上手に笑うことができなかった。


2人は、新2年生になったばかりの双子。

でも、顔も性格もまったく似てなかった。


お姉さんは極めて無口で、あまり感情を表に出さなかった。

しかし、勉強は学年でトップだった。

綺麗に日本語を書いて、ほとんどの試験で満点近くとっていたのが印象的だ。


妹のほうはお姉さんに比べて、よく喋った。

字は、本当に双子?と思うほど、違った。

筆圧が強くて乱雑というか、芸術的というか、なんとも独特だった。

芸術的といえば、妹は絵がものすごく上手で、暇さえあれば絵を描いていた。

成績は学年で、お姉さんに次ぐ2位だった。


そんな双子のお母さんから、学科に連絡が入ったのは先週のことである。

「すみませんがもう、大学をやめさせます。子供達には仕事をしてもらうんです」

突然の連絡に、学科はショックをうけた。


今日、2人が退学の手続きのために学科へきた。

家庭のどうしようもない事情。

母親1人で、老人を含めた7人の家族を養っているらしく、2人はこれ以上母親に負担をかけることができないという。

上司は奨学金などの案も出したが、本人達はもう決めたことのようだった。


お姉さんは勉強が大好きだった。

妹は芸術にもっとふれたかった。

「でも、もう、これ以上勉強することはできない」と、泣いた。


なんともやりきれなかった。

上司と僕も涙を我慢することができなかった。


今、学校は新学期が始まり、新入生歓迎会「ラップノーン」が行われている。




そんな中での突然のお別れ。

冒頭の言葉くらいしかかけてやれなかったし、上手に笑えなかったけど、あの時の2人の笑顔は忘れない。


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生徒不足で、このまま廃校。

そんな学校が、タイの地方にはたくさんあり、ロッブリーでも例外ではない。



ロッブリーのとある小学校では、政府支援のもと、タイ北部ターク県の少数山岳民族=モン族の子供を受け入れて生徒数を増やすことで、廃校を食い止めている。

そこには、廃校をふせぐというためだけではなく、教育環境の整っていないモン族の子供達に教育の機会を与える、という意味も含まれている。


今月末に大学生を連れてこの小学校で活動を行うにあたって、今日、下見に行ってきた。


この学校は、4歳から12歳まで、全生徒数90人あまり。

そのうちの半数以上がモン族の子供である。

子供達の世話は、学校の先生だけではなく、学校横にある寺と役場の人たちも一緒になって行われている。

いわば地域が主体となって、子供達の成長と教育を支援しているのだ。


親元から数百㌔離れたところで、モン族の子供達は共同生活を送っている。



長期休みには山岳部に帰るのだという。

そこへの送り迎えは、主に先生がやっているらしい。


さて、犬眠る狭い階段をのぼってみる。



そして、可愛らしい廊下を歩く。



生徒が外にいるためにがらんとした教室。

普段はおそらく活気あふれているのだろう。



食堂に行くと、小さな子達が座っていた。



「なんで座っているの?」

「歯をみがくの」

少し照れくさそうに答えた。

どうやら、歯をみがくにも、規律正しく列になって行くらしい。

少数民族の子供たちは、幼少時から、共同生活を営み、規律を教わっているのだ。


こんなにも小さなうちから親と離ればなれ。

僕が子供の頃と比べると、まったく別世界であり、子供達の寂しさは僕の想像を絶するであろう。

それでも、子供達は、政府の教育政策の波に翻弄されながら、元気に暮らしている。


子供にとって何がいいって、そりゃあ、一番いいのは親元で暮らして、教育を受けることに違いない。

しかし、政府の教育のインフラはまだまだ整っていないのがタイの現状なのである。



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アパートから自転車で5分ほどのところに、川が流れている。



夕方にもなると、なんとも情緒はあふれる景色である。

そこでマラソンや、散歩をするのが、僕は好きだ。


かつてここロッブリーで、マラソン中に犬に噛まれるという経験をしている僕は、タイでのマラソンに対して少しトラウマがあるのだが、この川沿いは多くの人が運動している。

そのため、ノラ犬も人の走る姿に慣れており、以前のように噛み付かれる心配はない。


さて、実はタイでは母の日のため、土曜から4連休である。

だが僕は今回は、めずらしくどこかに行くわけでもなく、ロッブリーに籠っている。

座ってばかりいて、身体はかちかちだ。

ということで、さきほど気分転換に近所の川へ散歩に行った。


風が涼しくて気持ちいい。

ん?



なんか、なんか雨が降りそうな気配。

いやむしろ、雨が降っている箇所が見て取れる。


とはいえ、もう散歩を開始してからけっこう時間がたち、自転車から2㌔ほど離れてしまっている。

じたばたしてもしょうがない。


なつかしい〜


なんて思いながら、道ばたに1人しゃがみ込んで、草を閉じさせる。



びゅーびゅー、風が吹き始める。

川とは反対の畑群は、まだ青空が見える。


でも、逆は確実に雨。


水面に雨がはじけているのが見て取れる。

もうだめだ!

そう思ってまもなく、雨にうたれた。

ま、じたばたしても仕方ないので、ビショビショになりながら、もと来た道を引き返す。



ということで、最近はスコールの日々である。


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「いいか、リョウタ。ここは、タイで一番美しい大学なんだぞ」


タイのゲーテ先生は何かというと、「一番○○だ」と言う。

他にも一番○○はありそうな気がして、僕はいつも笑ってしまう。


それはさておき、先生の言う一番美しい大学。

それは、チェンライ県のメーファー・ルアン大学である。

敷地の広大さのハンパなさに関する説明は、校内にゴルフ場があるということだけで、もう十分であろう。

そして確かに美しかった。


この大学は、異国からの学生を沢山受け入れて、インターナショナルな場づくりに力を入れている。

ミャンマーをはじめとした東南アジアの学生や、中国雲南からの学生が多くいるという。

日本人も何人か、勉強しているとか…

ゴールデントライアングルと言われたこの辺りは今や、教育の場として人々を集めるようになりつつあるのだ。


さて、ここの大学の芸術関係の先生に、校内を案内してもらった。

中国語勉強のための建物に行ったのだが、これが驚いた。

そこはまるっきり中国。

門構えが、中華風なのはもちろん、



言語と文化を掲げた扉を抜けると、



完全なる中国。

噴水が心地いい。



静かな廊下を歩き、孔子学院につくと、



学生が勉強をしている。



教室も中国なら、控え室も中国。



もちろん、外の憩いの場も、しかりである。



「いいか。リョウタ。自国にいながら異国語を学ぶというのは、こういうのが大事なんだぞ。

言語を学ぶというのは、文化を勉強すること。

だから、言語を勉強するためには、環境もそろえなくてはいけない。

見てみろリョウタ。ここは、一歩踏み入れたら、タイの中でも完全に中国だろう。


そんな環境で、言葉と文化を学ぶことが大事なんだ。

今、ロッブリーの日本語学科の部屋は、一歩足をふみ入れたら日本!ってなっているか?」


思い返すと、我が大学の日本語学科の部屋は、正直、一歩足を踏み入れても、完全にタイ・ロッブリー。

残念ながら、日本らしい気分には全くならないのが実情なのだ。


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「あれは、竹でできた仏塔です。

まだ新しいのですが、実は、お寺の計画ではあれを黒にしようかと考えたんです。

自然との調和や、仏塔そのものの持つ意味を考えて。

でも、村人に反対されて、結局、どこにでも見られる金色になったんです。

やはり、仏塔は金というイメージは根深いんですね」


そう語ったのは、チェンラーイ県のとある寺で出家中の西洋人僧侶である。

現在、欧米の大学の博士課程に在籍しているという彼は、タイの仏塔を調査しに留学にきていて、僧侶になったらしい。

とはいえ、まだ僧侶になって数日とのことだったが…。


さて、チェンライに連れて行ってくれたタイのゲーテ先生によると、竹でできた仏塔はタイ内でここにしかないとのことである。

仏塔は、タイ語でチェディー。

それは、墓地としての塔である。

起源としては、インドの古代神話である。


神話によると、地下には、死者が眠る冥界がひろがる。

万物を生みだす女神も、死後、冥界に横たわっている。

地上としてのこの世で生きる全てのものが、この女神の体から生まれる。

植物も動物も、人間もだ。


こうした、この世ー冥界の考え方を基礎として、仏塔は墓としてあつかわれる。

冥界に潜みうごめく圧倒的な力が、まるで自己の存在を示すかのようにわいて盛り上がる死者の塔としての仏塔。

それは、形を変えてこの世にニョキッと出現した冥界のシンボルなのだ。


本来的にそうした意味をもつ仏塔が、なぜ竹で作られたのか。詳しい理由はここではよくわからない。

しかし、寺の人が試みた「黒き仏塔」というのは、死者の冥界を表象する点からすると、あながち間違っていないんじゃなかろうか。



ただ、まあ、こうして白黒にして見ると、妙に怖いのは確かである。


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「世界にただ1つのお祭り」

サラブリー県で最も有名な寺、ワット・プラプッタバートでの祭りー花托鉢祭りーにつけられているキャッチフレーズである。

2001年からはじまったこの祭りは、毎年カオパンサー(入安居)に行われる。

ニュースによると数千人の僧侶に花を托鉢するというから、驚きだ。


数年前に僕が書いた入安居に関するBlog記事では、花祭りについて少し触れられていた。(すっかり忘れていたが…)

「…ちなみに、カオ・パンサーにおいて僧侶に花を献上する寺は、バンコク内では4寺。他県では1つしかないとのこと。それがどこかは、聞き取れなかった。 いかんせん眠気眼だったのだ。」

何とも緊張感のない文章で締めくくられているのが気になるところだが、どうやら「他県の1つ」とやらが、サラブリー県の祭りのようだ。

ここにきて、長年の謎が解かれたのである。(すっかり忘れていたのだが…)


というわけで、まあ、この時点で、祭りのキャッチフレーズ ー世界にただ1つのお祭りー の信憑性が疑われるわけだが、そこは触れないでおいて、せっかくサラブリーのお隣、ロッブリーに住んでいるのだ。

ちょいと、お祭りに行ってみた。


ロッブリーから、バンで20分ほど。あっさりと寺の参道入口に到着である。




参道から寺までは少しあるので、サムローに乗ってみる。


風を切って駆け抜けるおっちゃんの後ろ姿は、なかなかの年季を感じさせる。


渋滞を抜けて、寺に到着すると、人でごったがえしていた。

さすが、有名なお祭りである。


寺の前では花が売られている。



黄色とピンクの花は春らしくて、かわいらしい。

もちろん、実際は、春の陽気とはほど遠い。


こんな感じでセットを購入。



これを一輪づつ、線香とセットで、お坊さんに托鉢するのだ。

人でごった返す中、托鉢できそうな場所を探す。



ちょうどお坊さんがスタンバイしているところが、あいていたので、一緒に始まりを待つ。


「なかなか始まりませんね」

「いろいろと準備しているようだからなあ」

お坊さんは言った。


「君はどこの国の出身だい?」

「日本でございます」

「ほう。そうか。タイ語が喋れるのは、バンコクで仕事しているのかい?」

「いいえ、ロッブリーで仕事をしており…」

一応お坊さんということで至極丁寧な口調を心がけた会話は、先頭のお坊さんが動きだしたことで遮られた。

花托鉢の始まりである。


みなが、道を歩くお坊さんに花を托鉢する。



また、足に水をかけて清めたりもする。





僕も、同じように花を托鉢し、足を清めた。

ものの2分。

僕の托鉢は終了した。


うん、気分はいい。

とはいえ、これで帰るのもなんである。

本堂に行ってみることにする。



日光は容赦なく人々を照らしており、僕は汗が吹き出る。

寺に入ると、お坊さんが聖水を参拝客にふりかけていた。






参拝客は恭しく、それを浴びる。


寺の中は何処もごった返しており、「こりゃ、平日静かなときにゆっくり見た方がいいな」という気持ちに少しなる。


ただ、たくさんの人が並んでいる所が、妙に気になる。

今か今か、と何かを待つ、参拝者達の姿がそこにあった。

僕も一緒に並んでみる。



「中へどうぞ!」

声とともに、人々はきらびやかな内部へとなだれ込んだ。

僕も押されるように入る。



少し、アトラクション気味だ。

なるほど、ブッダの足跡である。

金色に光る足跡は、かなりのご利益が期待できそうだ。





参拝客は、足跡にお金をいれたり、あるいは足跡内の金ぱくを少しとっておでこにつけたりして、お祈りする。

タイでのお祈りの姿は、美しい。


僕も周りの人に従って、おでこに金をつけて、健康を祈願した。



こうしてプラプッタバート寺をあとにし、ロッブリーへと戻る。

「あれ、リョウタ。もしかしてプラプッタバート寺にタンブンに行きました?」

帰宅途中、たまたま道で知り合いに会って、言われた。


「ええ。どうして分かるんですか?」

「そのおでこを見れば、分かりますよ。ははは」


アパートに帰って鏡を見ると、妙にきらびやかな顔がうつし出された。

キン肉マンのでこの「肉」くらい、とまではいかないが、それでもあまりに広範囲にわたってピカピカと光り輝いている。

少し欲張って、付け過ぎたようである。


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